アマゾン(AMAZON)は、有料会員向けのセール「プライムデー(Prime Day)」を10月13、14日に世界19カ国で開催した。今回で6回目。例年は7月に実施しているが、今年は新型コロナウイルスの影響を踏まえて延期した。
同社は全体の売上高を開示していないものの、出店業者による売り上げは35億ドル(約3675億円)を超え、前年比60%増となっている。これにはコロナ禍で自由に外出できないためECで買い物をする消費者が増えたことや、延期によってホリデーシーズンの需要を捉えられたことが寄与している。また、対象商品を10ドル(約1050円)以上購入すると、セール期間中に使える10ドルのクーポンがもらえるキャンペーンを事前に実施したことも売り上げを大きく後押しした。
ジェフ・ウィルク(Jeff Wilke)=アマゾン ワールドワイド・コンシューマー部門最高経営責任者は、「サードパーティーの販売業者の多くは中小規模の会社だ。彼らをサポートする意味もあり、今回は例年よりも事前のプロモーションに力を入れたので、記録的な売り上げとなってうれしく思う」と語った。
期間中、最も売れたのは寝具、ワイヤレス製品、電子機器、ウエルネス用品など。個別の商品ではアイロボット(IROBOT)社のロボット掃除機ルンバ(Roomba)、レゴ(LEGO)社のスターウォーズ ストームトルーパー ヘルメット(Star Wars Stormtrooper Helmet)、ストロー型の浄水フィルターのほか、アマゾンが手掛けているスマートスピーカーのエコー ドット(Echo Dot)や、アレクサ(Alexa)に対応したファイヤーTVスティック 4K(Fire TV Stick 4K)などだった。
国別に見ると、米国では前述のルンバや浄水フィルターに加えて、Wi-Fiでガレージのドアを開閉できる装置、ビタミン剤、カードゲームがトップセラーだった。英国では掃除機、チョコレート、電気歯ブラシが、イタリアではサッカーゲーム、コーヒーカプセル、マスクが、アラブ首長国連邦ではマウスウォッシュ、スマートフォン用ヘッドセット、コーヒーマシンがよく売れた。日本では、カーテンや照明をアプリでコントロールできるスマートスイッチ、衣料用の漂白剤、ミネラルウォーターが売れ筋商品だった。
アマゾンによれば、プライム会員数は世界で1億5000万ほどとなっており、「プライムデー」のセールでおよそ14億ドル(約1470億円)を節約できた計算になるという。