クロスカンパニーは、3月1日付で社名を「ストライプインターナショナル」に改める。年内に控える東証一部への上場計画を前に、石川康晴・社長は「過去の成功体験を捨てて、新しい企業へ生まれ変わる必要がある」と決断した。従来のアパレルの枠組みにとらわれない企業姿勢を鮮明にするため、21年間掲げてきた看板をかけ替える。
新社名のストライプには、欧州の民主主義国家の国旗と同様に「自由」と「革新」の思いを込めた。また、まっすぐに伸びるストライプに国境を越えたグローバル展開や従業員の成長のイメージを重ねる。石川社長は2年前から一人で考えていたという。「売上高1000億円までは管理の強化で伸ばすことができた(2016年1月期の連結業績売上高は1276億円の見通し)。だが管理のクロスカンパニーでは2000億円で行き詰まる。(上場して)パブリック企業になれば管理がさらに強まり、自由度がなくなってクリエイティブの力が落ちてしまう。1兆円企業を目指すのであれば、自由と革新の文化を根付かせることが不可欠になる」と考え、ショック療法ともいえる社名変更を選択した。
2月25日に全国から約1400人の店長が参加した社員総会で発表した。通常、企業が社名を変える場合は、ステークホルダーに向けた発表から実際の変更まで数カ月の期間をあけるのが一般的で、発表と同時に変更するのは異例だ。今日3月1日から社員が使用する名刺は、1枚ごとに裏面に異なるストライプ柄(100種類)がデザインされたものに変わる。会社への電話に対する第一声も「ストライプインターナショナルです」になる予定だが、社内には「いつものクセで間違わないか心配」という声もある。