イオンの子会社イオンリテールは、2016年秋にファッションビル向けのウィメンズ新ブランド「ムーディラ(MUDILAF)」をデビューさせる。ブランドの監修役には、元「セシルマクビー」ディレクターで、現在はフリーでディレクターや企画アドバイザーを務める名越万理ディレクターを起用。ブランドマネジャーには、同社衣料商品企画本部ダブルフォーカス事業部の阿部千穂レディスMDマネジャーが就く。
「ムーディラ」とは、"ムーディー"と"ラフ"からなる造語で、23〜25歳をコアターゲットに、「気まぐれな女の子の心をつかむ、オシャレでラフなスタイル」を追求する。「基本はストリート・ガールズ・スタイルで、LAのベニスビーチにいるスケーターの彼女のようなファッションをイメージし、ジェンダーレスな雰囲気も醸し出している。スニーカー好きな女の子たちが増えていることを踏まえて、全てのスタイルをスニーカーと合わせて着こなせるような"ウエア・キックス・セブン・デイズ(WEAR KICKS 7DAYS)〜スニーカーで着こなす7日間"をスローガンにアイテムや着回しを提案する」と名越ディレクター。キーアイテムはデニムで、伸縮性の高いジョグデニムをはじめ、"カットデニム"のバリエーションを充実するとともに、メンズライクなヘビーウエイトのデニムなども用意する。
阿部ブランドマネジャーは、「これまで、イオン約300店舗の中で、5年前からティーンズ&ヤング向けショップ『ダブルフォーカス』を展開し、現在94店舗にまで拡大させてきた。この経験やネットワーク、商品開発のスケールメリットを生かしつつ、イオンとは販路の異なる、駅ビルやファッションビルなどに向けたブランドを開発し、新たなマーケットの開拓に挑戦していく」と開発の狙いを説明する。
商品の価格帯はシャツやボトムスで4990円、Gジャンやデニムで8900〜1万円前後と値頃感を創出。スニーカーもファーストシーズンから「アディダス」「ナイキ」「ニューバランス」「コンバース」などの取り扱いが決定しており、グループでの相乗効果を最大限に生かしている。
まずは5月下旬のデベロッパー向けの内覧会を経て、7月初旬をメドにインフルエンサー向けのお披露目を実施。さらに、7月中旬にECを先行オープンし、8月末には都内のファッションビルに1号店を出店したい考え。15坪(約50平方メートル)を標準売場面積とし、近い将来、駅ビル・ファッションビルなどに10店舗程度を展開する計画。
名越ディレクターは、ファッション&ビューティ系スクールのブレア学園グループの教員も務めており、「プロデューサー講義」なども担当。「現役の生徒や卒業生など、リアルな女子の声をすくい上げたスタイリング提案や、SNSでの情報発信なども行っていく」と話す一方で、「リアルにブランドをゼロから立ち上げるストーリーを見て、ファッションビジネスを学んでもらえたら」とも語る。