ファッション

「シャネル」の「N゜5」から新しい香りが誕生

 「シャネル(CHANEL)」は9月23日、4代目調香師のオリヴィエ・ポルジュ専属調香師が手掛けた「N゜5 ロー オードゥ トワレット」を発売する。1921年に誕生し、愛され続ける「N゜5」のフォーミュラに、新たな息吹を吹き込み、ナチュラルでフレッシュでありながら深みのある香りを作り出した。

 「N゜5」は、「シャネル」が初めて世に送り出したフレグランスで、シャネルの歴代の専属調香師たちにインスピレーションを与え続けてきた香りだ。専属調香師らは、この香りの本質に真摯に向き合い大切に守りながらも、「N゜5」にそれぞれの時代に則した新たなスタイルを打ち出す努力を続けてきた。24年、エルネスト・ボーは「N゜5」にオードゥ トワレットという新しいスタイルを生み出し、86年にジャック・ポルジュがオードゥ パルファムを作り出した。その22年後に、ジャック・ポルジュは「N゜5 オー プルミエール」を完成させた。

 今回の「N゜5 ロー」は、オリヴィエ・ポルジュが、オリジナルに向き合い、フォーミュラを分析、それぞれの原料を把握し、本来の役割を理解した上で完成させた香り。フォーミュラを分解し、そこから継承するもの、変化させるもの、さらには付け加えるものに構築した。香りの始まりは、爽やかなシトラスの中に、コクのある甘さを感じさせ、レモン、マンダリン、そしてオレンジのフレッシュなノートが肌の上に広がる。ミドルでは、ローズがジャスミンとイランイランのほのかな香りと溶け合い、肌を優しくなでるように寄り添っていく。このフローラルが去った後は、ふわっと柔らかなムスキーノートとともに、ヴェチヴァーとセダーがハーモニーを奏で、これまでに感じたことのない鮮やかで生き生きとした感覚が訪れる。

 香りを包むのは、清らかな水を思わせるクリスタルのように透明なガラスボトル。白地に黒で縁取られたボックスは、伝統的な数字をエンボス加工で施し、時代を超えた価値を伝える。

福崎明子

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