「ユニクロ」を擁するファーストリテイリングが、ギャップを抜き、カジュアル専門店の売上高で世界第3位に浮上した。10月13日に発表したファーストリテイリングの2016年8月期の売上高は前期比6.2%増の1兆7864億円だった。
国内ユニクロ事業は前期から196億円積み増して7998億円(前期比2.5%増)に、海外ユニクロ事業は517億円増え6554億円(同8.6%増)になった。「ジーユー」「セオリー」などグローバルブランド事業については、332億円増収の3285億円(11.3%増)になった。うち「ジーユー」は1878億円(同32.7%増)と飛躍した。営業利益は国内ユニクロ事業が1024億円(同12.6%減)、海外ユニクロ事業が374億円(同13.7%減)、グローバルブランド事業が95億円(同34.0%減)だった。
特に成長をけん引した海外ユニクロ事業では、期中に160店舗を出店。昨年11月に店舗数が初めて日本を超え、期末店舗数は日本の837店舗に対して、海外は958店舗になった。売り上げ規模についても、今期または来期中には日本を超える見通しだ。
これで、トップ4のランキングは、1位が「ザラ」「ベルシュカ」などを擁するインディテックスの209億ユーロ(約2兆4035億円)、2位はH&Mは2099億2100万スウェーデンクローナ(約2兆3091億円、VATを込む)、3位がファーストリテイリング、4位がギャップの157億9700万ドル(約1兆6270万円)となる。
2020年の売上高5兆円を目指していたが、現実性を鑑みて3兆円を目標数値に掲げ直したものの、「近い将来には5兆円を達成したい。世界一のグローバル企業になるために、会社も仕組みも改革していく」と柳井正・会長兼社長。
なお、ファーストリテイリングの2016年8月期決算の営業利益は1272億円(同22.6%減)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は480億円(同56.3%減)で、増収減益だった。7月に発表した直近予想(売上高1兆8000億円、営業利益1200億円、当期純利益450億円)に対しては、売上高は未達、利益は増益となった。
9月からスタートした17年2月期は、売上高1兆8500億円(前期比3.6%増)、営業利益は1750億円(同37.5%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は1000億円(同108.1%増)を予想する。
国内ユニクロは増収増益を見込む。売上高は2%増、うち、店舗は横ばい、eコマースは約4割の増収を見込む。海外ユニクロ事業については、円高が1割強の押し下げ要因となるため、若干の増収にとどまると予想する。
(1ユーロ=115円、1ドル=103円、1スウェーデンクローナ=11円)