オンワードホールディングスは11月22日、食品のECサイト「オンワード・マルシェ(ONWARD MARCHE)」を開設した。同日、記者発表会を東京・芝浦のオンワード・ベイパークビルディングで開き、保元道宣・社長が登壇した。
「オンワード・マルシェ」は同社が2000年にパリに開いた懐石レストラン「円(YEN)」のコンセプトを踏襲し、日本のこだわりの食や器を発信する。酒や飲料、米、おかず・おつまみ、スイーツ、調味料、食器など、日本各地の約240社からの約3000品をそろえる。全商品が産地直送で、在庫や品質管理などは出品者が行う。
商品は同社の北海道から九州までの支店で働くアパレルの営業マンたちが、バイヤーとして地元を回り、集めてきたもの。愛知・鳥市精肉店の「あいち鴨スモーク」(ギフト4860円)や広島・カスターニャの「広島レモンチーズケーキ」(1404円)、高知・ウェルカム ジョン万カンパニーの「宗田節足摺セット」(2160円)、茨城・青木酒造「袋吊り斗瓶取り純米大吟醸」(6480円)など、選りすぐった商品をそろえる。
クリエイティブ・ディレクターに、グルメ雑誌で編集長を務める大西健俊を起用した。商品ページは雑誌のような構成で、産地取材による読み物やモデルやキュレーターによる特集を充実させているのが特徴だ。また、オンワードグループ店舗やECで共通で使用される「オンワードメンバーズポイント」も利用可能。服を購入して貯めたポイントを食品の購入に充てられるなど、相互利用を促す。
オープン現在は、国内発送のみだが、約1年後には海外対応も想定する他、国内の商品だけでなく、インポート食品なども仕入れて、カテゴリーを増やしていく予定だ。初年度の売り上げ目標は10億円。同社のファッションEC「オンワード・クローゼット」の初年度(2009年)の売り上げと同額を見込む。
保元社長は「われわれはアパレル業界の人間なので、商品管理などはプロにお任せして産地直送を徹底。(在庫を持たず)ビジネスモデルとしては軽いスタートになる。日本の食文化を出品者とともに発信し、近い将来は越境して、ニッチなグローバルサイトへと進化させていきたい」。