エルメス財団は2017年2月26日まで、銀座メゾンエルメス フォーラムで「曖昧な関係(LES LIAISONS AMBIGUES)」展を開催している。同展は、ベルンハルト・ショービンガー(Bernhard Schobinger)、アンヌ・ロール・サクリスト(Anne Laure Sacriste)、ナイル・ケティング(Nile Koetting)という世代や国籍、表現方法の異なる3人のアーティストにフォーカス。三者三様の作品と体の間に生まれる関係性について考察するグループ展になっている。
スイス出身のジュエリー作家であるショービンガーは、その制作を通じて、体の物質性やその強さと弱さ、欲望を探求。割れたガラスやネジ、釘、サングラスのレンズ、コインなどを用いて制作した独創的なジュエリーを展示する。また、サクリストは、絵画表現の領域を問い続けるフランス人画家。今回は、15世紀にパオロ・ウッチェロが描いた「サン・ロマーノの戦い」に見られる詩的で幾何学的な抽象性を京都の石庭に重ね合わせた作品を披露する。日本で生まれ育ち、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動するケティングは、光波や音波という目に見えないものをベースに、新たな物質性の感知やコミュニケーションへの置き換えを試みる。電化製品などを用いたインスタレーション形式の作品は、昼と夜で全く異なる印象を与える。
■「曖昧な関係」展
会期:2016年12月21日(水)〜17年2月26日(日)
時間:11:00〜20:00(月〜土)、11:00〜19:00(日)※最終入場は閉館30分前
定休日:不定休
会場:銀座メゾンエルメス フォーラム
住所:東京都中央区銀座5-4-1 8階