米化粧品大手のレブロン(REVLON)はファビアン・ガルシア(Fabian Garcia)最高経営責任者(CEO)の下、5年で売上高50億ドル(約5700億円)、世界の化粧品企業ランキングトップ10に入ることを目指し、企業再編を行う。現在、同社の年商は30億ドル(約3420億円)だ。再編には2020年までに6500万〜7500万ドル(約74億〜85億円)のコストがかかるという。また、その一環で世界で350人のリストラを実施する。
2016年4月15日にCEOに就任したガルシアは、ドラッグストアや百貨店などの流通チャネルではなく、ブランドにフォーカスしたビジネスモデルを立てた。これにより、同社は4つの部門に再編する。看板ブランドの「レブロン」と昨年買収した「エリザベス アーデン(ELIZABETH ARDEN)」はそれぞれの独立した部門で運営。その他、フレグランス部門と、「オールルメイ(ALMAY)」「アメリカン クルー(AMERICAN CREW)」「シンフル カラーズ(SINFUL COLORS)」「ミッチャム(MITCHUM)」などのブランドを収めたポートフォリオ部門を作る。各部門にはプレジデントを立て、それぞれの下にマーケティング・バイス・プレジデント、クリエイティブ・ディレクター、パッケージ・バイス・プレジデント、デジタル・ディレクター、ファイナンズ・バイス・プレジデントを置く。また、背景の異なる市場に対応するため、北米、ヨーロッパ、中東・アフリカ、アジア、パシフィック・ラテンアメリカの5つの地域に分け、それぞれの地域を統括する役職を設ける。ガルシアCEOは「アジア人の肌に向けたスキンケアの開発やアメリカ市場向けの限定カラーコスメの展開など、地域に特化した施策に期待してほしい」と語る。
また、ミレニアル世代の顧客獲得にも注力する。「レブロンではブランドのアンバサダーにグウェン・ステファニー(Gwen Stefani)やシアラ(Ciara)ら、SNSでフォロワーが多いセレブを起用し始めた」。今後「レブロン」は一貫した商品開発やパッケージ、戦略で業績回復を目指す。「エリザベス アーデン」はパッケージを見直し、高級感を演出していく。フレグランス事業は引き続きマスマーケットで展開する計画だ。ガルシアCEOは「高いスタンダードや革新的なクリエイティビティー、素晴らしい実行力が共存する協力的な社風や、楽しくやりがいのある仕事ができる魅力的な環境を整えることに力を注ぐ。そうすれば、かつては業界内のトレンドセッターであり先駆者だった『レブロン』や『エリザベス アーデン』をその地位に返り咲かせることができるはずだ」とコメント。
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