ユナイテッドアローズが、自社EC強化に着手する。現在、自社ECの売上比率はEC売り上げ全体の20%程度に過ぎず、大半は「ゾゾタウン」などの他社ECモールが占める。自社ECで実店舗に近いサービスを提供することで、売上比率を伸ばすだけでなく、実店舗との相互送客にもつなげたい考え。2016年4~12月期には、単体のEC売上高が前年同期比24.2%増、その中で自社EC「UAオンラインストア」は同10.6%増だった。自社ECへのアクセス増によるEC売上高の拡大を目指す。
今春には各ブランドサイトとUAオンラインストアを統合することで、アクセス増を狙う。また、売上向上に向けたさまざまな取り組みを行う。竹田光広・社長は「自社EC強化に向けては、販売機会ロスが非常に大きな反省だった」と話し、今後について「ロスを縮小するために自社ECへの供給在庫を30%程度増やす他、撮影や採寸など掲載作業のオペレーションを効率化し、1週間程度かかっている掲載までのリードタイムを短縮する」と述べた。加えて、新規顧客獲得に向けてネット広告費を自社EC売り上げの1.8%から3%まで引き上げSNS広告や記事広告への出稿を増やす。決済などの各種機能を改善することで利用環境の向上にも着手する。
先行して同社は昨年8月、実店舗での会員サービスであるハウスカード会員とUAオンラインストア会員を統合し、それぞれのポイントサービスやアプリを一元化した。その結果8~12月の、新規入会者数が前年同月比85%増、会員売り上げが同22%増になった。
同社の2016年10~12月期は、売上高が前年同期比4.6%増の425億円、営業利益が同3.3%増の63億円、経常利益が同3.9%増の64億円、純利益が同8.2%増の43億円だった。ECの伸びで4四半期ぶりの営業増益を達成した。「グリーンレーベル リラクシング」で成功し、他事業にも導入しているMDの細分化については「シーズン立ち上がりに雑貨の比率を増やすなどし、主に『ユナイテッドアローズ』『ビューティ&ユース』業態のウィメンズ分野で結果を出しつつある」と言う。
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