読者の皆さま、初めまして。編集・記者の大杉真心(まみ)です。2017-18年秋冬シーズンのニューヨーク・コレクションレポートを担当することになり、これから日記のようなコラムを綴りたいと思っております。NYコレ取材の裏話をはじめ、今のNYの街が気になる方は是非、お付き合いくださいませ。
前置きになりますが、私がNYを訪れるのは約6年ぶりです。仕事で来るのは初めてなのですが、学生時代にファッション大学のニューヨーク州立ファッション工科大学(FIT)に留学経験があり、NYは青春を過ごした地でもあります。ジョン・F・ケネディ国際空港(JFK)についた瞬間、いろんな思い出がフラッシュバックし、懐かしい気持ちになったのは言うまでもありませんが(笑)。6年前、東日本大震災が起こり、NYを離れることになった時に「次は仕事で戻ってきたい」と胸に誓った場所がJFKだったので、こうして念願叶って戻ってくることができたのは、とても感慨深いのです。
当時の私は、ファッションデザイナーを志しており、朝から晩まで授業や課題制作、バイトに明け暮れていていました。コレクションシーズンになると、学校でニューヨーク・コレクションのインターンやアルバイトの募集があり、私も2シーズンだけですが、ショー会場の案内係やフィッターなどを経験しました。仕事だけでなく、当時は(今もだとは思いますが)FITの学生というだけで、学生証を見せるとショーをスタンディングで見ることができ、見られる限りのショーに潜り込んでいました。そこから、「WWDジャパン」の記者になって、招待客としてファッションショーを見られるようになるまでの経緯を書くと、長くなってしまうので、今回は省かせていただきます。しかし、このコラムでは私が久しぶりのNYで感じたこと、さまざま変化を皆さんと共有したいと思っています。そして、偶然にも今回一緒にNY取材をする上司の村上要(編集長代理)も、FITの先輩なので、彼とコレクションについてだけでなく、学生時代にショッピングを楽しんだお店や、好きなローカルフードの話をしながら、ファッション・ウイークを楽しみたいと思います。
1日目は大雪に見舞われ、村上が乗っていた飛行機がJFKに着陸できず、シカゴへと行ってしまいました。今日の便はもういっぱいなので、1日遅れての到着になる模様。早く無事に到着できることを祈りつつ、彼の分もしっかり見なければと、気を引き締めて取材をしております。
とはいえ、前日は17度で春の暖かさで、Tシャツで歩いている人も街で見かけるほどだったので、その寒暖差は衝撃です。今朝は吹雪の中、会場へ向かい「ニコラス ケイ(NICHOLAS K)」や「デシグアル(DESIGUAL)」「エリン フェザーストン(ERIN FETHERSTON)」「アディアム(ADEAM)」などのショーを取材してきました。スポーティーなトレンドが継続しており、ダウンジャケットやマウンテンジャケットなどを多く目にしました。今年の秋に発売される17-18年秋冬コレクションですが、この極寒の中なので、思わず“すぐ買えたらいいな”と感じてしまいます。
一方、「バナナ・リパブリック(BANANA REPUBLIC)」は、今回は新作のプレゼンテーションを行わず、ソーホーの店舗で17年春夏の”すぐ買えるコレクション”を発表をしました。セレブリティーのオリビア・パレルモ(Olivia Palermo)とコラボした商品が店頭に並び、実際にオリビア本人も来店しているので、この賑わいです。写真を撮ってすぐにSNSにアップしたいというマインドが当たり前な今、一般の顧客も自由に参加できるこの“SEE NOW,BUY NOW”の形式はこの時代にぴったりだなと再確認しました。
NYコレのスケジュールはこちらからご覧下さい。一番の目玉は明日に控えたラフ・シモンズによる初の「カルバン・クライン コレクション(CALVIN KLEIN COLLECTION)」です。その他にも、定着しつつある“SEE NOW,BUY NOW”のコレクションやイベント、メンズとウィメンズのコンバインショー、日本からは「シアタープロダクツ(THEATRE PRODUCTS)」がNYコレに初挑戦するなど、トピックスが目白押しです。詳しいレポートは紙面でお届けいたします。