「ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)」は、メンズ・ウィメンズ通算100回目のランウエイショーを開催した。同ブランドは、周年よりも継続してきた回数を重んじており、50回目は2004年にダイニングテーブルをランウエイに見立ててショーを行い話題を呼んだ。
100回目の今回は、モデルとプリント柄にメモリアルのメッセージが反映されている。ショーは、過去に「ドリス」のショーを歩いたモデルたちと、現役のモデルたちがランダムに登場する形で構成した。コレクションの鍵であるパターンは、過去に用いた中でもデザイナーのドリスが特に好きなものをベースに、素材やスケールを変え、ジオメトリックでグラフィカルなプリントを重ねて表現した。
「伝統や因習から解放され、知性に溢れ、大胆で信念のある、揺るぎない、エレガントで、気まぐれで、生き生きとした、独自でまっすぐな女性たち」を思い、モデルたちの私服をコーディネイトするかのようにスタイリングを組み、ヘア・メイクも彼女たちの素を生かし、ナチュラルに仕上げたという。シルエットもブランドらしいテーラリングを鍵にしたゆったりとしたもので、まとう女性たちのエネルギーを引き出す。過去と未来、新しさや古さという言葉でくくるものではなく、優しさや愛で包み込むタイムレスで揺るぎない強さを示した。
招待客は全員フロントロー、「過去への郷愁ではなくほんの少し趣向を凝らしながら100回目のショーを祝って……」。控えめなメッセージを込めたショーは、デザイナーの彼の優しさと強さが溢れたものだった。