資生堂はニューヨーク拠点のクリエイティブエージェンシー、Jウォーク(JWALK)を買収した。より早く、効果的なマーケティング、イメージ戦略を確立するのが狙い。取得額は明らかになっていないが、Jウォークのダグ・ジェイコブ共同創業者は資生堂アメリカのクリエイティブ・ディレクターを務めながら、今後もJウォークで他業種のクライアントの仕事も受ける。
魚谷雅彦・資生堂グループ最高経営責任者(CEO)は、「クリエイションの追求は、顧客コミュニケーションにとって最も重要であり、プレステージブランドの価値を高める鍵になる。Jウォークが持つマーケティング、またデジタル面でのノウハウがわが社のさらなる成長を支えると確信している」とコメント。
資生堂アメリカのマーク・レイ社長兼CEOは、「ビューティ業界においてもデジタルの重要性が増している。そこで合理的、かつエモーショナルな顧客コミュニケーションのあり方を確立したい」と話す。資生堂の傘下に属しながらも、他業種のプロジェクトを手掛けるJウォークの契約形態については、「専属になることで創造性や人材が伸びなくなるという事態を避けるため。常に新しい視点に触れられる環境でなければならないから」と説明した。
2010年にダグ・ジェイコブ、ミカエル・ラストリア、チャーリー・ウォークの3人が設立したJウォークが抱えるクライアントは、ファッションや飲食、酒類、サービス関連のベンチャー企業から有名ブランドまで、多岐にわたる。事業の60%以上はデジタル・メディア関連で、残る約40%はブランド開発。「われわれの仕事はロゴのデザインに留まることなく。ブランドが目指すものを、一貫性を持って打ち出すお手伝いをすること。成功しているブランドはみな、これができている」とジェイコブ共同創業者。
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