ファッション・カルチャー誌「プリーズ(PLEASE)」の最新号Vol.6が3月9日に発売する。編集長はマガジンハウスで「アンアン」などを手掛けた後、「ポパイ」の副編集長も務めた北原徹。最新号では「ロエベ(LOEWE)」や「ジバンシィ バイ リカルド ティッシ(GIVENCHY BY RICCARDO TISCI)」「ジョルジオ アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」にフィーチャーした撮り下ろしと、リチャード・アヴェドンの写真集“Made in France”がモチーフのファッションストーリーを組む。さらに「コム デ ギャルソン・ガール(COMME DES GARCONS GIRL)」のファッションシューティングは、さいたまトリエンナーレ2016を舞台に、アートチーム、目[me]の作品の上で撮影。特殊素材でできた泉の水面を、少女たちが遊びまわるビジュアルが印象的だ。また、イラストレーターの大橋歩が企画、編集、取材を行う冊子「アルネ(arne)」についてのインタビューの他、作家の多和田葉子さんの小説家としてのインスタレーション、ヴァンナチュールの話やエドツワキにまつわるエピソードなどを掲載する。
北原編集長は最新号について「カタログシューティング全盛の時代に、ストーリーのある写真と時間をかけた丁寧な取材で、ページの意味を明確にしている。前号では、バッグデザイナーの西田信子への取材に約半年を費やした。取材対象は、インターネットでは伝わらないという視点を前提に、新しいという理由だけで取り上げるのではなく、自分が驚いたこと、関心を持つことだけに絞り読者と共有することが目的」と話す。ファッション・カルチャー誌にこだわる理由は「『プリーズ』を始めた頃、まだ、日本に残っている“文化”を誌面で紹介したかった。文化とは手間のかかるもので、多くのデザイナーが手掛ける洋服は文化と言える。そう考えると、ファッションとクラフト制作などが同じであっても良いと思う。時間をかけて、丁寧につくられているものを見たいし、応援したい。また、一緒にもの作りができたら」と語った。
同誌は16年3月に創刊され、現在までに6冊を発行している。価格は1200円。北原編集長が1人で編集、撮影など全てのディレクションを行い、毎号「コム デ ギャルソン」の撮り下ろしが組まれ、スタイリングは自身が手掛ける。北原編集長はフリーの編集者として活動する傍ら、レイ・アンド・ラブロック(Ray And Loverock) 名義でフォトグラファーとしても活動している。