モデルの鈴木えみが2017-18年秋冬、ウィメンズブランド「ラウタシー(LAUTASHI)」をスタートする。モデルとしての18年間の経験をモノ作りに反映。デザイナーズブランドとして、アパレル企業との協業ではなく、自己資金でスタートする。
ファーストコレクションは、肩のスリットを編み上げたウールワンピースをはじめ、猫やタイガーのイラストを入れたシャツやワンピース、フェイクレイヤードのMA-1などのラインアップ。価格帯はアウターが7万~10万円、ニットが2万5000~8万円、ドレスが3万5000~5万円、トップスが1万2000~9万円、ボトムスが2万5000~5万円など。取り扱いは卸とオンラインストアを予定する。
これまでモデルだけでなく、自身が編集長を務めるメディア「シー(s’eee)」を発刊するなど、クリエイティブに活動を広げてきた彼女にブランドを立ち上げた経緯やこだわりなどを聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):ブランドをスタートしたきっかけは?
鈴木えみ(以下、鈴木):20代後半から少しづつ考えてきました。モデルとして18年間活動をして、服の素材感や着た時のシルエット、動いた時の表情など、多くの服を着てきた経験を生かしたいと思っていました。
WWD:ブランドのコンセプトは?
鈴木:“身につけることで背伸びをさせてくれるような”日常着を提案したいです。普段、私服を選ぶときは、トキメキを大切にしています。自己表現のツールになるような服が好きで、それぞれの服には人の気分や気持ちを変えるような力があると思っています。着る人が自分の新たな一面を見つけてもらえるような服にしていければうれしいです。
WWD:ブランド名の由来は?
鈴木:「かわいらしい」や「愛おしい」という意味を持つ、古文の“らうたし”に由来します。でも、ブランド名にそこまでこだわりはなく、何でもよかったんです(笑)。先入観のないようなネーミングは意識しましたが、せっかく日本から発信するブランドなので、日本の要素を入れたいと思いました。
WWD:デザインのポイントは?
鈴木:基本的には自分好みのデザインになっています。デザイン画を描いて、生地は素材展で選びました。全ての服にこったディテールが入っていて、手にとっていただけたら何か発見があるはずです。最近茶色やオレンジ、黄色が気になっていて、ニットは、染めて好みの色を出しました。普段は黒しか着ない人でも、「この色なら挑戦してみたい」とか、首が詰まったデザインを好まない人でも、「これなら着てみたい」と思ってもらえるような、きっかけ作りができればいいなと思います。
WWD:服を作る上で大変だったことは?
鈴木:パタンナーによって絵型のくみ取りかたが異なることです。専門用語が分からないので、思った形を伝えられるか、コミュニケーションが大切だと感じました。
WWD:企業との協業ではなく、自身でブランドを立ち上げた理由は?
鈴木:自分が100%コントロールできて、愛情を注いで育てられるブランドにしたいと考えていました。関わる人が多すぎると、いろんな人のさまざまな事情が入って、シンプルに物事が進まなくなることもあります。私は完璧主義者なので(笑)、自分で全てを把握できる小さい規模でやることで、反応もダイレクトに受け取れると思います。
WWD:モノ作りではアドバイスをもらった人は?
鈴木:普段から交友のあるデザイナーの友人が多いですが、特に「ジョン ローレンス サリバン(JOHN LAWRENCE SULLIVAN)」の柳川(荒士)さんは、分からないことがあれば教えていただきました。
WWD:バイヤーの反応は?販売店舗は決まったか?
鈴木:普段プレゼンを行う機会がないので、とても緊張しました。デビューコレクションの取り扱いはエクスクルーシブで伊勢丹での展開とECを予定しています。今後は販路拡大も視野に入れたいと考えています。