6月9日、ジャック・マー(Jack Ma)=アリババ創業者兼会長は、2036年には、世界の人口の約3分の1に値する20億人の消費者にサービス提供を目指すと宣言した。さらに、世界中で1億人分の雇用機会を創出し、自社のプラットフォームで1000万事業を支援することも目標に掲げた。
マー会長は「現在のアリババの流通総額(GMV)は5470億ドル(約60兆1700億円)。これはGDP換算で世界各国のランキング第22位でアルゼンチンの次に位置する。だが、GMVが1兆ドル(約110兆円)を超えれば16位か17位に繰り上がる。さらに、2036年までに20億人以上の消費者にリーチできれば、アメリカ、中国、ヨーロッパ、日本に次いで、世界第5位の経済プラットフォームになる事ができる」と説明する。
また、配達についても、中国国内なら24時間以内、世界中では72時間以内の配達を目指すという。「北京、広州で速く届くのは当たり前。チベット、モンゴル、雲南、貴州でも速く届ける」と豪語する。
アリババは8日に2018年3月通期決算について、専門家の予想より10%以上高い、45%~49%の増収予測を発表しており、これを受けて同社の株価が13%上昇した。2017年3月通期決算の売上高は同年比56%増の1583億元(約2兆5328億円)だった。
チ・ツァン(Chi Tsang)HSBCインターネット調査責任者によれば、アリババの成功の背景は、主に2つの要因があったという。第1に、早期の段階で未開拓のニーズを満たしたことで、現在は月間5億700万のモバイルアクティブユーザーを抱えていること。第2に、ビッグデータを使用して巨大なユーザー層がブランドにとって貴重なパートナーとなっていることを挙げた。さらにデータを使用してユーザーエンゲージメントをさらに向上させ、ブランドとの関係を深めることができればさらにアリババは成長するだろうと主張した。