ワールドと日本政策投資銀行(以下、政投銀)は、ファッション産業を投資対象にした共同運営ファンドを6月30日付で立ち上げた。ファッション産業に特化したファンドは国内では初めて。ワールドの事業運営のノウハウ、政投銀のファイナンスの知見を生かして、投資先の成長を後押しする。
共同運営ファンドの名称は「W&Dデザイン投資事業有限責任組合」で、通称「W&Dデザインファンド」と呼ぶ。すでに6月19日付でファンドの運営会社「W&Dインベストメントデザイン」を、ワールドのグループ会社であるワールドインベストメントネットワークと政投銀との折半出資で設立した。運用規模は約50億円。銀行の借り入れなどと合わせれば、数百億円規模の案件にも対応できる。運用期間は10年間。
ファッション産業では商品力や技術力はあるものの、流通の変化やデジタル化の流れに乗れず、行き詰まる企業も少なくない。同ファンドでは資金を提供するだけでなく、専門性を持つ人材を送り込んだり、ワールドの販売網や生産網を活用したりするなど、成長戦略や業務効率化を支援する。投資企業の事業価値を高め、第三者への株式譲渡や新規株式公開(IPO)による売却で投資資金を回収する。