東京・芝浦の再開発によってオフィス、ホテル、住宅、商業施設などからなる大型複合施設が整備されることが発表された。芝浦運河とJR山手線に挟まれた4万7000平方メートルのエリアで、高さ約235mの超高層ビル2棟(S棟、N棟)を建設。世界的な建築家の槇文彦氏(88)を設計者として迎え、湾岸地区の新しいシンボルを目指す。2020年から着工し、23年にS棟、29年にN棟が完成する予定だ。
この再開発は野村不動産、NREG東芝不動産、JR東日本の3社が共同で推進する「(仮称)芝浦一丁目計画」。現在の東芝本社ビルやJRのカートレイン乗降場跡地を約10年かけて整備する。2棟の延べ床面積は約55万平方メートルで、都内でも最大級の規模の再開発になる。最寄りのJR浜松町駅南口東西自由通路の拡幅・バリアフリー化、カートレイン乗降場跡地の歩行者専用道路への整備を通じて、周辺地区との回遊性を高める。芝浦運河の水辺の環境や眺望を生かして、観光拠点としての顔も持たせる。
設計者の槇氏は「芝浦運河、日の出桟橋を介して東京湾を一望するこの敷地に建設される2棟の超高層は東京のどこのもない壮大な景観を享受し得るに違いない。われわれが設計にあたって最も苦心したのは、この2棟の姿のあり方である」と意気込みを語っている。