ルックスオティカ(LUXOTTICA)とフランスのレンズメーカー、エシロール(ESSILOR)が1月に基本合意に達した合併について、欧州委員会はレンズ市場の競争を制限する恐れがあるとして、独占禁止法違反の疑いで正式な調査に乗り出した。
同委員会は、世界最大のアイウエアのサプライヤーであるルックスオティカと欧州最大のレンズメーカーであるエシロールが合併することで、レンズ価格の高騰や選択肢の減少を懸念しており、予備調査の段階でいくつかの問題点が挙がっているという。
両社はルックスオティカエシロール(LUXOTTICAESSILOR)設立について1月に基本合意に達していたが、同委員会への正式な通達は8月だった。合併が実現するかどうかの最終判断は2018年2月12日までに行われる見込みだ。
両社は欧州委員会の調査について「両社の規模を考えると妥当なことだ」と合同で声明を発表し、欧州委員会の調査に理解を示しつつも、年内の調印を目指すという。また、「合併に向けてセカンドフェーズは順調に進んでおり、合併が顧客や消費者をはじめとする全てのアイウエア業界の関係者に有益だということを欧州員会にも説明していく」と表明。
また、パオロ・アルベルティ(Paolo Alberti)=ルックスオティカ 卸部門プレジデントは、エシロールから供給を受けているルックスオティカの顧客は同合併によって過剰な在庫を持たずに済むことになり、メリットがあると説明。同社のオペレーション部門のトップであるマッシモ・ヴィアン(Massimo Vian)も21年までにフレームが19%、度付きレンズは17%の成長が期待できると説明する。
合併が実現すれば、年間売り上げは160億ユーロ(約2兆1440億円)に達する見込みだ。