百貨店大手5社の9月度売上高は、気温の低下で秋冬物の衣料が活発に動き、全社が増収を達成した。既存店ベースで三越伊勢丹が前年同月比7.3%増、高島屋が同8.8%増、大丸松坂屋百貨店が同7.0%増、そごう・西武が同3.5%増、阪急阪神百貨店が同9.4%増だった。引き続き訪日外国人(インバウンド)と富裕層の購買がけん引し、大都市の基幹店が大幅に伸びている。
大都市の基幹店の売上高は、伊勢丹新宿本店が同9.5%増、三越銀座店が同19.0%増、高島屋新宿店が同11.2%増、高島屋大阪店が同18.0%増、大丸心斎橋店が同30.1%増、阪急本店が同14.5%増と高い伸びを達成した。
訪日外国人の客数が大幅に増えていることに加えて、化粧品などの消耗品だけでなく、ラグジュアリーブランドなどの高額品の購買も回復している。大丸心斎橋店がけん引する大丸松坂屋の免税売上高は同109%増(客数66%増、客単価26%増)と倍増した。高島屋も免税売上高は同62%増だった。
これまで苦戦していた衣料品も最低気温が20度を下回る日が多かったため、秋冬物がよく売れた。主力の婦人服は総じてプラスだった。婦人服、紳士服ともにジャケットやセーターなどが例年よりも早く売れ筋に浮上した。阪急本店では「重衣料の好調に伴い、それにコーディネートするブラウスも良く売れた」という。