しまむらの2017年3~8月期決算は、売上高が前年同期比1.1%増の2841億円、営業利益が同5.2%減の238億円、経常利益が同5.1%減の243億円、純利益が同2.6%減の162億円と増収減益だった。売り上げ不振に加え、チラシ中心だった広告をテレビCMにスライドし、販管費がかさんだことが要因の一つ。野中正人・社長も「周知度アップを狙ったテレビCMで十分な結果を得ることができなかった。また顧客の節約志向に対して、価格改定が追い付かなかった」と振り返る。
対応策として、しまむらは広告戦略を見直す。前期3本だったCMを「記憶に残るもの」を意識し、新聞購読率の低い都市部に向け一気に14本に増やしている。「社員にも不評だった」という春夏シーズンの反省を踏まえ、秋冬物では手頃な価格をアピールする。またチラシも「やはり効果的」と割引や特価など分かりやすい価格強調型にシフトし、来店率上昇を狙う。「客単価や買い上げ点数を増やすことは難しい。だから、しまむらは客数アップにこだわっていきたい。来店動機に直結する広告戦略は最重要課題だ」と野中社長。
昨年73万枚を売り上げ、今年も105万枚販売の実績を残した“素肌涼やかデニム&パンツ”や、同じく昨年100万枚を販売し、今年も横ばいの売り上げを見込む“裏地あったかパンツ”など、プライベートブランドの拡充も行う。さらに商品部と店舗運営部を一人の役員が統括。責任を明確化し、MDのスピードアップを図る。
同社は17年3~8月期の業績を受け、18年2月期の予想を下方修正した。修正後の売上高は5930億円(修正前は6100億円)、営業利益は512億円(同567億円)、経常利益は521億円(同576億円)、純利益は348億円(同385億円)。