岡山発婦人アパレルのさえらは2018年春夏、新ブランド「オーバーレース(OVERLACE)」をスタートする。ディレクターに、テキスタイルを軸にするファッションブランド「ユキ フジサワ(YUKI FUJISAWA)」の藤澤ゆきを起用。同社が1974年の創業以来レースに特化したウエアを強みにすることから、藤澤が収集するヨーロッパのアンティークレースや、ビンテージウエアなどから着想を得た日常着を提案する。ターゲットは20~30代の女性。現在、40代~を中心顧客に持つ同社ブランドの客層拡大を図る。さえらは現在、「ヒスクローネ(HISCHRONE)」や「アキアカネ(AKIAKANE)」など9ブランドを展開し、全国に28店舗の直営店を擁するが、「オーバーレース」の販路は百貨店やセレクトショップなどへの卸しを予定する。
「オーバーレース」のファーストコレクションでは、箔プリントを施したレースのドレスやブラウス、繊細なフランス産リバーレースをハンドカットして縫い合わせたボトムスなど16型を発表した。また、藤澤が6年前に制作した手染めのチュールスカート“午後4時のスカート”を商品として再現。ピンクやイエローなどグラデーションで一枚一枚異なる色のオーガンジーを重ねて、動くたびに色の見え方が変わる仕掛けになっている。価格はスカートやアウターが2万2000~2万5000円、ブラウスやワンピースが3万8000~4万6000円、総レースガウンやドレスが13万~15万円など。
藤澤は全て一点モノの生産を行ってきたため、量産を行うウエアコレクションを手掛けるは、今回が初めて。「これまで、インスタグラムなどのSNSで、『これが欲しい!』とコメントをいただいても、一点モノのため、要望に答えられない悩みがあった。このタイミングでさえらのデザイナーやパタンナーとともに1から服作りを行う中で、発見も多かった」と語った。
藤澤は東京都生まれ。多摩美術大学テキスタイルデザイン専攻卒業後、13年に「ユキ フジサワ」を始動。16年にはTOKYO新人デザイナーファッション大賞を受賞した。現在はテキスタイルデザインを行う他、ビンテージウエアなどにプリントを載せたリメイクアイテムなどの販売を中心に行う。現在、パスザバトン(PASS THE BATON)やセレクトショップのジジナ(GIGINA)など6アカウントで取り扱われている。