資生堂のヨーロッパ事業を手掛ける資生堂グループEMEAのルイ・デサザール(Louis Desazars)社長兼最高経営責任者(CEO)が退任したようだ。業界関係者によって明らかになった。デサザール社長兼CEOは10月末(現地時間)、同僚に資生堂を去る旨をメール送信している。資生堂からはコメントは取れていない。当面は、資生堂グループで欧州と中東、アフリカのチーフ・ビジネス・オフィサーを務めるエリック・ヘンリー(Eric Henry)が職務を代行するようだ。
デサザール社長兼CEOは、資生堂のヨーロッパと中東、アフリカにおけるスキンケアやメイクアップ、フレグランスのビジネスを統括してきた。その前は資生堂傘下の「ナーズ(NARS)」で社長兼CEOを務めた。
資生堂EMEAは、同社が「ビジョン 2020」と呼ぶ2020年までの中長期戦略に基づき誕生。地域独自の組織を構築することで、意思決定から実行に至るまでのプロセスを迅速にすることが目的だが、資生堂グループEMEAに関しては「イッセイ ミヤケ(ISSEY MIYAKE)」や「アズディン・アライア(AZZEDINE ALAIA)」「エリー・サーブ(ELIE SAAB)」「ナルシソ・ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」「ザディグ エ ヴォルテール(ZADIG & VOLTAIRE)」など香水事業を手がけてきたボーテ プレステージ インターナショナルの事業を取り込んだ。欧州においては、「ローラ メルシエ(LAURA MERCIER)」や「ナーズ」「ベアミネラル(BARE MINERALS)」など、同地域での販路が限定的なブランドを育成することで拡大を図ってきた。最近では、ミレニアル世代に向けた新ブランド「ワソウ(WASO)」をヨーロッパでも大々的にプロモーションしている。