ファッション

森田恭通がパリで写真展を開催中 女性の曲線を題材にした官能的なヌード写真を披露

 インテリアデザイナーとして世界的に活躍する森田恭通が、パレ・ロワイヤル庭園内にあるギャラリー・コラッツァ1787(Galerie Corrazza 1787)で、写真展「Porcelain Nude 2017」を開催中だ。今年で3回目を迎える同展は、女性のヌードをグラフィカルに作品化した“Porcelain Nude”シリーズの最新作がメーン。過去の作品ではアジア人と黒人を一人ずつ被写体に選んできたが、新作は、写真の中で2人の女性が複雑に絡み合うことで、1人では表現できない柔らかなアール(曲線)が複雑に交差することで生み出される、鋭角なフォルムとのコントラストを写真に収めた。

 デザイン活動の他に20年間写真を撮ってきたという森田は、直線的な壁に立体を感じさせる曲線的な写真を飾り、インテリアの一部として空間に溶け込む作品を目指して“Porcelain Nude”を撮り始めたという。「世界で最も美しい曲線を求めると、必然的に女性の身体にたどりついた。ヌードでありながらもリビングにも飾れるような官能的な作品に仕上がっていると思う」と語った。曲線のコントラストが明度の階調と共に描かれる作品は、身体か陶器かランドスケープか、一見してそれが何であるかを判断することが難しく“アートとしての写真”とパリでも高く評価されている。作品発表の場にパリを選んだ理由については、「インテリアデザイナーという肩書きを取って、単純に好きか嫌いかで評価されるフランスで挑戦したいから」と説明した。

 同展ではスーパーラボから出版される“Porcelain Nude”の作品集も販売。これまでの作品から厳選した作品集は、「テーブルに置いて飾られることを考慮して大きさと装丁をデザインした」という。あとがきには、彼の写真のファンというリシャール・コラス(Richard Collasse)シャネル(CHANEL)社長や、美術評論家からのコメントも添えられている。日本では来年1月中旬に東京と京都のライカギャラリーで、“Porcelain Nude”シリーズとは異なる新作が公開される予定。写真家としても活躍の場を広げる森田恭通の今後の活躍に注目したい。

■Porcelain Nude 2017
日程:10月19日〜11月12日
時間:12:00〜19:00 (最終日のみ17:00)
会場:Galerie Corrazza 1787
住所:11-12 Galerie de Montpensier 75001 Paris, France(Jardin du Palais Royal)
入場料:無料

ELIE INOUE:パリ在住ジャーナリスト。大学卒業後、ニューヨークに渡りファッションジャーナリスト、コーディネーターとして経験を積む。2016年からパリに拠点を移し、各都市のコレクション取材やデザイナーのインタビュー、ファッションやライフスタイルの取材、執筆を手掛ける

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