「ディーゼル(DIESEL)」や「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」「マルニ(MARNI)」「パウラ カデマルトリ(PAULA CADEMARTORI)」「ヴィクター&ロルフ(VIKTOR&ROLF)」、それにこうしたブランドのウエアの製造・販売を手掛けるスタッフ インターナショナル(STAFF INTRRNATIONAL)などを傘下に持つOTBは、次期最高経営責任者(CEO)にウバルド・ミネッリ(Ubaldo Minelli)を起用、同社の人事改革は大詰めを迎えている。OTBは同時に最高財務責任者(CFO)としてカルロ・スキアーヴォ(Carlo Schiavo)の起用も発表。スキアーヴォ新CFOは、コンサルティング企業のPWC、フィアット(FIAT)、ドラッグストアのウォルグリーン・ブーツ・アライアンス(WALGREEN BOOTS ALLIANCE)などで要職を歴任してきた人物だ。
関係者は、OTBのレンツォ・ロッソ(Renzo Rosso)創業者は、残るは「ディーゼル」のCEOのみ、と話していると語る。「ディーゼル」のアレッサンドロ・ボリオーロ(Alessandro Bogliolo)前CEOは春に同社を去り、10月にティファニー(TIFFANY & CO.)のCEOに就いた。
「ディーゼル」はOTBの売り上げの約60%を占める中核ブランドだが、2016年はヨーロッパとアメリカ、それに香港のビジネスが不調で初めて赤字に転落した。これを受けOTBは、「ディーゼル」のポジショニングを変更。2億ユーロ(266億円)程度の減収を覚悟の上で卸先を厳選する改革を進めている。2016年度の売り上げは、約9億6000万ユーロ(約1276億円)だった。またレンツォ・ロッソ創業者は、息子のステファノ・ロッソ(Stefano Rosso)を北米担当のCEOに任命し、強化を図っている。
そのほかのデザイナーズブランドは好調だ。「メゾン マルジェラ」は、2年前には1億ユーロ(約133億円)程度だった売り上げが、ジョン・ガリアーノ(John Galliano)=クリエイティブ・ディレクターのもとで1億3500万ユーロ(約179億円)まで成長。メゾンは2月、「ディーゼル」の役員だったリカルド・ベッリーニ(Riccardo Bellini)をCEOに任命した。前任のジョヴァンニ・プンゲッティ(Giovanni Pungetti)は、OTB傘下のブランドの中国本土におけるビジネスを統括している。
「マルニ」は、創業デザイナーのコンスエロ・カスティリオーニ(Consuelo Castiglioni)に代わり、フランチェスコ・リッソ(Francesco Risso)体制になった。昨年は2ケタ増収で、年商は1億7000万ユーロ(約226億円)まで成長している。
こうしたブランドを含むOTBの2016年度の売り上げは、15億8000万ユーロ(約2100億円)。純利益は前年比8.5%増の380万ユーロ(約5億円)だった。