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「セリーヌ」がついにECサイト立ち上げ ラグジュアリーグループのデジタル化競争が過熱!?

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)が擁する「セリーヌ(CELINE)」は5日に、ブランドとして初めてフランスでECサイトを立ち上げた。12月中旬にはフランスでデジタル広告キャンペーンを開始し、18年にヨーロッパおよびアメリカで、19年には日本でECサイトをスタートする。

 ECサイトはフィービー・ファイロ(Phoebe Philo)=クリエイティブ・ディレクターの創り出すブランドイメージを反映したミニマルなデザインに仕上がっている。レディ・トゥ・ウエア、レザーグッズ、アクセサリー、ジュエリー、シューズのすべてのアイテムカテゴリーがオンライン販売の対象となり、ECサイトでの購入、家での受け取りはもちろんのこと、購入商品の店舗での受け取りや返品、店舗での購入のアポイントメントも取れる。

 「セリーヌ」のスポークスパーソンは「ビジネス目標に則りECサイトを立ち上げたが、これは同時にブランドの透明性を高め、新規顧客を開拓し、グローバルにデジタルとリアルをミックスしたショッピング体験を求める顧客にすべてのサービスを提供ためでもある」と話した。

 「セリーヌ」は2月にインスタグラムのアカウントを立ち上げ、現在63万9000人のフォロワーを抱える。11月には中国の消費者に向けて、中国版ツイッターである微信(WeChat)でも公式アカウントを開設した。

 メガバンクHSBCのアナリストは、ラグジュアリー市場におけるECの売り上げは、2015年の全体の7%から20年には12%まで伸びると予想し、ラグジュアリー市場全体の成長の4割相当を担うだろうと分析する。

 「セリーヌ」のECサイト立ち上げの前日には、LVMHのライバルで「グッチ(GUCCI)」「サンローラン(SAINT LAURENT)」などを擁するケリング(KERING)がチーフクライアント兼デジタル・オフィサーに元eベイ(eBay)幹部のグレゴリー・ブッテ(Gregory Boutte)を起用したと発表。また、「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「IWC」などを擁するコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT)も9月にデジタル部門強化のためにチーフ・テクノロジー・オフィサーの役職を新設し、同職に指名されたジャン-ジャック・ファン・オーステン(Jean-Jacques Van Oosten)が18年1月に就任予定だ。

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