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グッチ脱税疑惑 詳細が徐々に明らかに

 脱税の疑いでグッチ(GUCCI)にイタリア財務警察の捜査が入っている件について、詳細が少しずつ明らかになってきた。
 
 12月5日付のイタリア紙「ラ・スタンパ(LA STAMPA)」によると、実際はイタリア・ミラノで実働していたとみられる管理職が統括する事業に関する収入を、イタリアよりも優遇税制が適用されるスイスで申告した容疑がかけられており、脱税額は2010年から総額13億ユーロ(約1729億円)に及ぶとみられている。

 また、マルコ・ビッザーリ(Marco Bizzarri)=グッチ最高経営責任者(CEO)およびパトリツィオ・ディ・マルコ(Patrizio Di Marco)前CEOも捜査対象となっているという。

 さらに、グッチの親会社ケリング(KERING)でかつて管理職を務めていた弁護士のカルミネ・ロトンダーロ(Carmine Rotondaro)がグッチを告発し、捜査に協力しているという。過去にケリングの財務アドバイザー兼小売不動産事業の統括責任者を務めていたようだ。

 グッチのスポークスマンは本件について第一報が出た際には「捜査機関に全面的に協力しており、合理性と透明性があると自信を持って言える」とコメントしていたが、詳細が明らかとなってからはコメントを控えており、捜査当局からもコメントは得られなかった。

 ロトンダーロ弁護士は16年、脱税の疑いでイタリア財務警察の捜査を受け、同弁護士が所有する、総額700万ユーロ(約9億3100万円)相当の13件の財産を押収されている。その際にケリングは同氏が不動産投資を行っていたことや、不動産投資のための資金を業務と関係のない外国企業を通じて調達していたことを告発している。

 加えて、ケリングがイタリア・サンレモとレッジェッロにラグジュアリーアウトレットを建設した際に、同社の不動産運用について捜査が行われたが、その捜査対象の中心人物もロトンダーロ弁護士だったという。

 グッチは2017年7~9月期決算の売上高を、前年同期比49.4%増の15億5380万ユーロ(約1740億円)と報告している。

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