ファッション

ワールドの新ファンド「ザ シークレットクロゼット」「シクラス」に投資

 ワールドと日本政策投資銀行(以下、政投銀)が立ち上げた共同運営ファンド「W&Dデザイン投資事業有限責任組合(以下、W&Dデザインファンド)」は、投資の第1号にセレクトショップのザ シークレットクロゼット(The SECRETCLOSET)とウィメンズブランド「シクラス(CYCLAS)」を手掛けるユア サンクチュアリーを選んだ。12月15日付で株式引受を実施し、第三者割当増資による資本提携を締結した。投資額は非公開。ユア サンクチュアリーは増資で成長資金を確保する他、ワールドの持つ事業運営ノウハウや生産や販売プラットフォームを活用。特に「シクラス」の事業展開を優先し、ブランドを日本発のラグジュアリー・ブランドへと成長させていく。

 福本太郎W&Dインベストメントデザイン社長はユア サンクチュアリーを投資第1号に選んだ理由を「『シクラス』は直感的に、自分が男性であることが残念に感じるほど、すてきな服で商品のクオリティーとデザインが抜群にいい。また当ファンドは“日本発海外へ”をテーマにしているため、世界へ羽ばたける素養もあるところも合致。小野瀬さん(小野瀬慶子ユア サンクチュアリー代表取締役)は経営者であり、ディレクターであり、働く女性。デザインは“フェミニティーの追求”がテーマ。今、“働く女性を応援する”風潮がある中で、女性が活躍するためのファッションを提案しているということも大きい」と説明する。

 小野瀬慶子ユア サンクチュアリー代表取締役は「『シクラス』は海外へ出た2016-17年秋冬からバーグドルフ グッドマン(BERGDORF GOODMAN)で買い付けをいただき、大きなビジネスチャンスをつかんだ。一方、海外のデザイナーズフロアに出てしまうと、コンペチターは『セリーヌ(CELINE)』や『ロエベ(LOEWE)』『クロエ(CHLOE)』『ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)』『ジル・サンダー(JIL SANDER)』などのラグジュアリー・ブランド。よりビジネスを成長させるためには、世界での知名度を上げていかなければならない。当社はこれまで広告出稿の前例がないが、今、適切なマーケティングや投資をしていく必要がある段階に成長したと感じる。W&Dデザインファンドのサポートを受けながら、より『シクラス』を日本発のラグジュアリー・ブランドとして確立したい」と語る。

 ザ シークレットクロゼットは伊藤忠ファッションシステムやユナイテッドアローズ(UNITED ARROWS)でキャリアを積んだ小野瀬代表取締役が立ち上げたセレクトショップ。07年にオープンした神宮前の1号店をはじめ、六本木の東京ミッドタウンや二子玉川の玉川高島屋SCなど国内に6店舗を構える。オリジナルブランドの「シクラス」は16-17年からパリで展示会をスタートし、17年春夏からファッションショーを発表している。国内では高島屋日本橋店や三越銀座店などの百貨店や地方セレクトショップ、海外ではニューヨークのバーグドルフ グッドマン、香港や韓国、ドイツなど世界に約10アカウントで取り扱いがある。今後は「シクラス」単体での出店を視野に入れている。現在の売上高は非公開だが、将来的に売上高50億~100億円の規模を目指す。

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