高島屋は30日、大阪店近くに保有する高島屋東別館にサービスレジデンス(滞在型ホテル)を2019年冬に開業すると正式発表した。東南アジア最大の不動産会社であるシンガポールのキャピタランド傘下のアスコットと合意した。1937年に建てられた歴史的建造物である東別館の意匠を生かしながら大規模改装。アスコットのブランドである「シタディーン(CITADINES)」の名称で300室以上を有する滞在型ホテルに生まれ変わる。
日本橋にある東別館は、元々は松坂屋大阪店の店舗だったが、1969年に高島屋が取得し、長く高島屋の史料館や事務所として利用されていた。アールデコ調の内外装が特徴で、映画やドラマのロケ地としても知られている。
高島屋は東別館に滞在型ホテルだけでなく、商業テナントも誘致する考え。関西で急増する外国人観光客やビジネスマンを呼び込み、高島屋大阪店を含めたミナミへの来街者を増やす。店舗を核にした周辺不動産の開発によって、エリア全体の価値を高める高島屋の「街づくり戦略」の一環として位置付ける。
シタディーンは欧州を中心に60以上の滞在型ホテルを展開しており、日本でも東京・新宿(2カ所)と京都・烏丸五条に施設を持つ。キッチンや食器、調理器具、家具などを備え付けており、ホテル並みのホスピタリティで長期滞在することができる。