大手アパレルのワールドは、ブランド古着の買取・販売のラグタグ(RAGTAG)と、ファッションレンタルサービス「サスティナ(SUSTINA)」に出資し、2次流通と、服のサブスクリプション事業に本格参入する。
ワールドのグループ会社、ワールドインベストメントネットワーク(以下、WIN)は4月2日付で、 ラグタグを運営するティンパンアレイを買収した。WINはティンパンアレイの株式を保有する投資会社の新生クレアシオンパートナーズから全株式を取得した。買収額は非公開。またWINは3月30日付で、「サスティナ」を手掛けるオムニスの発行済株式46.6%を取得した。
ワールドの中林恵一グループ常務執行役員は「自社ブランドの商品のリユースが目的ではない。時代と共にお客さまは変化しており、若年層の間では、“シェアリングエコノミー”が一般的になっている。それぞれの経営を担っている30~40代の若く優秀な人材に弊社に参画してもらうことでノウハウを蓄積する一方、ワールドとしても彼らの活躍の場を作っていきたい。たまたま2社のM&Aが同じタイミングで重なったが、別々に検討してきた案件だ」と説明する。
ティンパンアレイは1985年、東京・原宿の竹下通りにブランド古着の販売・買取を行うリユースセレクトショップとしてラグタグを開業。現在ラグタグは渋谷、名古屋、大阪、神戸、福岡など13店と、ラグジュアリー・ブランドのユーズド店アールティー(rt)を銀座と福岡に2店構える。99年にオンラインショップを開き、現在のEC化率は約30%。売上高は55億5806万円(2017年3月期)。
オムニスは14年、ウェブの古着販売・買取からスタートし、現在サブスクリプション型(利用期間に応じた定額料金制)ファッションレンタルサービス「サスティナ」を運営するITベンチャー企業だ。国内のセレクトショップやアパレルメーカーの200ブランドの商品を中心に取り扱い、月額3900円(もしくは7900円)で15点(30点)の洋服を自由にレンタルできる。個人向けのレンタルサービスに加え、ホテルやシェアハウスなど、旅先や滞在先でのクローゼットレンタルのプラットフォームを提供する。売上高は非公開だが、「サスティナ」の17年7月のダウンロード数は 6万、会員数は1万人。