眼鏡店チェーンのオンデーズの2018年2月期の売上高は、前期比25%増の150億円だった(営業利益は非公表)。売り上げをけん引した要因の1つはグローバル化の拡大だ。進出国は13年7月のシンガポールを皮切りに、台湾、タイ、カンボジア、フィリピン、オーストラリア、マレーシア、べトナム、そして4月に出店したインドネシアの9カ国に広がっており、5月末現在の店舗数は国内112店舗を海外120店舗が上回った。フィリピンとインドネシア以外は現地法人を設置する力の入れようで、売上高も海外が85億円となり、国内を超えている。海外初出店から約5年で達成した急速な拡大だ。今年の新卒社員の約40%が外国籍で、社員のグローバル化も進めている。
そしてもう1つの好調要因は、社員の競争意識を高める人材育成だ。オンデーズには、年齢や性別を問わず、実力とやる気があれば活躍できるユニークな教育プログラムや人事制度がある。
眼鏡の加工技術を競うコンテストには国内外の店舗のスタッフが参加し、1位の賞金100万円獲得を目指す。先月開催した4回大会の優勝者はフィリピン店の販売員。過去3回はシンガポール人スタッフが連覇しており、日本人スタッフの優勝者はいないという。
また、エリアマネジャー(部長級)、スーパーバイザー(課長級)、店長の人事を立候補制とし、社員の投票で選出する制度を約8年前に導入した。この制度により、店長の半数近く、海外の現地法人のうち4カ国の責任者に女性が就任し活躍している。しかし、店長は売り上げ予算を3カ月連続で下回ると再募集される厳しい規定もある。再度、店長選考会に参加し、改善点を踏まえてプレゼンすると再選されることもあるという。誰でも挑戦できる社内制度からチャレンジ精神と競争意識が生まれ、業績につながっているようだ。19年2月期の売上高は200億円を目標にしている。