ファッション

デムナの故郷ジョージアに捧げた2019年春夏「ヴェトモン」

 2019年春夏「ヴェトモン(VETEMENTS)」のメンズ&ウィメンズのショーが7月1日、パリで開催された。インビテーションはハート型のクッキー。それを首からかけて来場する人々もちらほら見られた。結婚式のバンケットのような長テーブルをランウエイにショーがスタート。ミリタリーとストリートをミックスし、デザイナーのデムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)の出身地である“ジョージア(GIORGIA)”へのオマージュ的なコレクションを発表した。

 ブラックを軸にイエローやピンク、ブルーを差し込み、民族衣装プリントでエスニックな要素をプラス。“ジョージア”と記されたパーカやTシャツ、中にはブルース・リー(Bruce Lee)風のプリントもある。それらに合わせるのはバルキーな迷彩柄のパンツやデニムで、半パンを重ねているかのようにトロンプルイユが施されている。大ぶりのテーラードジャケットやコートはまるで借り物のようだ。ウィメンズは、メンズ同様のスポーティーなスタイルにプリントのエアリーなドレスをミックスし、ロマンティックな要素を盛り込んだ。同時に、ビニールコーティングしたテーブルクロスのような素材を使用したスカートなどチープな印象のアイテムも。

 今回のコレクションで目立ったのは、トラックスーツやユニホーム風ブルゾンに合わせたマスクと釘を施したブーツやスニーカー。釘はサングラスにも付けられている。それらが加わるとストリートから戦士のスタイルに一変する。紛争の中で育ったデムナ自身の過去を想起させるような演出だ。ショーの後半には、ジョージア、ウクライナ、トルコ、アメリカの国旗柄ブルゾンが登場。単なるモチーフとして採用したのではなく、デムナの社会的なメッセージが込められていると感じた。フィナーレは、純白のケープスリーブが風にはためくマリエでショーを締めくくった。

VETEMENTS x コレクションの記事

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

27メディアが登場、これが私たち自慢の“ナンバーワン”【WWDJAPAN BEAUTY付録:化粧品専門店サバイバル最前線】

11月25日発売号は、毎年恒例のメディア特集です。今年のテーマは "ナンバーワン"。出版社や新興メディアは昨今、ウェブサイトやSNSでスピーディーな情報発信をしたり、フェスやアワードなどのイベントを実施したり、自社クリエイティブやIPを用いてソリューション事業を行ったりなど、事業を多角化しています。そのような状況だからこそ、「この分野ならナンバーワン!」と言えるような核を持てているかが重要です。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。