スヌーピーで知られるアメリカンコミック「ピーナッツ(PEANUTS)」の作品世界を表現した日本初のホテル「ピーナッツホテル(PEANUTS HOTEL)」が神戸市内に8月1日オープンする。その内部が4日、報道陣に公開された。
ホテルが立地するのは、観光都市・神戸の中でも人気の高い北野の玄関口。異人館へと続く北野坂近くの幹線通り沿いにある。神戸を中心にカフェや飲食店など75店舗を展開するポトマック(金指光司・社長)が運営する。同社が所有するビルの1階と3〜6階をまるごとホテルに改装。1階にカフェスタンドとオリジナルグッズ販売の「ピーナッツカフェ(PEANUTS CAFE)神戸」、3階にはレストランの「ピーナッツダイナー(PEANUTS DINER)神戸」を併設する。
4〜6階の3フロアはそれぞれ「IMAGINE」 「HAPPY」 「LOVE」のテーマを設定。全18室の客室もすべて異なるコミックをコンセプトにデザインされている。例えば、スヌーピーと鳥たちのコミックをイメージした6階スペシャルルームは、スヌーピーをモチーフにしたモノトーンの内装で、部屋のあちこちでスヌーピーを発見できる。同室だけの演出として、プラントハンター西畠清順氏のプロデュースによる緑のテラスも併設した。
客室は14平方メートル〜のダブルタイプと19平方メートル〜のツインタイプがあり、1室あたりの料金は朝食付きで3万〜5万5000円。宿泊客以外も利用できるレストランは、神戸の食材をベースにした本格的なディナーとランチなどを用意する。
神戸に出店した理由について、ポトマックの東泰輔ホテルマネジャーは「神戸は当社の拠点というだけでなく、海と山に囲まれたレトロな街並みが『ピーナッツ』の原作者チャールズM.シュルツ(Charles Monroe Schulz)氏がアトリエを構えた米サンタローザと似ていることが大きい」と話す。同社と「ピーナッツ」の日本国内エージェントであるソニー・クリエイティブプロダクツとの関係は15年オープンの「ピーナッツカフェ中目黒」から。ポトマックがホテル事業を提案し、米国の権利元ピーナッツワールドワイドLLC(Peanuts Worldwide LLC)の協力を得て実現に至った。
ターゲットは、コアなファンが多い30代以上に加え、これまで「ピーナッツ」に馴染みが薄い20代の男女も想定する。「『ピーナッツカフェ』もそうだが、ファン以外にも利用してほしいので、キャラクターを前面に出すのではなく、世界観を自然に体験してもらえるような空間にした」(ソニー・クリエイティブプロダクツの渡辺恵介ピーナッツ推進本部部長)。
神戸には年間100万人を超える訪日外国人観光客が訪れる。ポトマックでは、国内はもちろんインバウンド需要も取り込み、神戸の活性化にもつなげていきたい考えだ。