水を使わずに頭皮や髪の汚れとベタつきを落とすドライシャンプーが続々と登場している。ファッションショーのバックステージや災害時、介護現場などで使われていたドライシャンプーだが、酷暑が続く夏には、外出時のリフレッシュアイテムとしても注目を集めている。
資生堂は8月上旬、ロングセラーヘアケアブランド「ツバキ(TSUBAKI)」から、ドライシャンプー「ツバキ お部屋でシャンプー」(980円、編集部調べ)をECサイト先行で発売する。暑さ対策の他、休日に部屋でゴロゴロしている時にシャンプーをさぼりたいなどの手抜きニーズに応えて作られたもので、ジェルを髪や頭皮になじませるだけという手軽さが特徴。“部屋シャン”の言葉と共に、バスルーム以外での洗髪習慣を提案する。
BCLの人気ブランド「サボリーノ」も6月に、頭皮にスプレーして揉み込むスプレータイプの「サボリーノ 髪を洗いまスプレー」(1200円)を数量限定で発売し好調だ。その他、キナリの自然派化粧品ブランド「草花木果」は、ミントの爽快感が特徴のスプレータイプ「はっかの香りの頭皮リフレッシュ」(1200円)を数量限定で発売。SLH「ベキュアハニー(VECUA HONEY)」からは、ジェット噴射の冷涼感が支持されるヘッド用フローズンローション「ワンダーハニー フローズンヘッドジェット シトラスソルベ」(1500円)が登場している。
また、資生堂ヘアメイクアップアーティストが製品開発企画を行う「プレイリスト(PLAYLIST)」では、ファッションショーのバックステージで手軽にヘアチェンジを行う時に使うことを想定して作られた「スプレードライヤー」(2000円、編集部調べ)が、汗でベタつく髪をさらさらにする機能性が受け、発売から2カ月経たずにブランドで1、2を争う人気製品に成長している。
ドライシャンプー自体は昔から存在したが、“泡立てて洗い流してこそシャンプー”という根強い考え方があり、日常づかいというよりは緊急時のアイテムと認識している人が多かった。しかし、頭皮ケアの意識が高まっている近年はシャンプーを使わない“湯シャン”が注目を集め、クリームで頭皮と髪を洗う「ロレアル パリ(L'OREAL PARIS)」の「エクストラオーディナリー オイル ラ クレム ラヴォン クレンジング クリーム」がヒットするなど、洗髪に新たな考え方が生まれている。これらのトレンドは、ドライシャンプーが“日常アイテム”として受け入れられる土壌を作っているといえるだろう。
例年以上に暑い2018年の夏。汗ばむ頭皮と髪の不快感を取り除くドライシャンプーは、酷暑の外出アイテムとして冷感スプレーやボディーシートと並ぶ“酷暑のお役立ちアイテム”になれるだろうか。