ラルフ・ローレン(Ralph Lauren)が、ブランド誕生50周年を祝うメモリアルなランウエイショーを7日(現地時間)、ニューヨーク市内のセントラルパークで開催した。
2018-19年秋冬の「ラルフ ローレン パープル レーベル(RALPH LAUREN PURPLE LABEL)」と、同じシーズンの「ポロ ラルフ ローレン(POLO RALPH LAUREN)」を中核とする2部構成のショーは、ウィメンズ&メンズのみならず、キッズやベビーまで総勢150人のモデルが登場。一大スペクタクルだ。
「ラルフ ローレン パープル レーベル」は、ラルフのビンテージへの愛着に溢れた。洗いをかけた柔らかなベルベットをキーマテリアルに、それをさまざまな色に染めてパッチワーク。落ち感が美しさのみならず着心地まで想起させるスリムなドレスやスカートに仕上げる。合わせるのは、豪華なエンブロイダリーで飾り立てたカーキ色のミリタリーニットにビテージライクなビッグボリュームのアビエイターブルゾン。ハイ&ロー、制服へのリスペクト、何よりビンテージへの敬意など、ラルフが50年間大切に守り続けてきたアイデンティティーが詰まっている。
ヒップホップ調のBGMが流れると、今度は「ポロ ラルフ ローレン」のコレクションだ。「ラルフ ローレン パープル レーベル」が紳士と淑女のコレクションなら、「ポロ ラルフ ローレン」はさまざまな家族のワードローブ。ツイードのジャケットにGジャン、タイガーモチーフの刺しゅうをあしらったカレッジブルゾンにペイントカーゴ、そしてハイテク素材を用いたアノラック。ベビーやキッズから若手モデル、マチュア世代の女性がスタイルをシェアし、手を繋いでランウエイを歩く姿は、見ているだけで幸せになれるし、ラルフは50年間、誰もが価値を置く理想的な家族像を描き続けてくれたことを教えてくれる。
総勢150人のモデルに送り出されフィナーレでランウエイに現れたラルフは、スタンディングオベーションの観客に囲まれ、涙を浮かべていた。幼い頃から洋服を核とするスタイルに興味を抱き、ネクタイ売りからアメリカンドリームを実現。特に細部にまでこだわった実店舗などで、ライフスタイルという価値観を提唱した第一人者の集大成だ。直近の苦境に対する対応にメドがついたラルフ ローレン社は今年、コストカットから反転攻勢をかけるという。洋服を取り巻くカルチャーが重要視される時代、反撃の狼煙を上げるには最適のタイミングだ。