大手アパレルのワールドが9月28日、東証1部再上場した。初値は2755円、終値は2680円になり、公開価格の2900円をともに下回った。同社は上山健二・社長の指揮の下、16年3月期から大掛かりな構造改革を推し進め、19年3月期は売上高が前期比1.3%増の2490億円、営業利益が同7.6%増の142億円、税引前当期利益が14.8%増の127億円を見込むまでに持ち直してきたが、投資家たちからの洗礼を受けた形だ。
同社は事業構造改革の一方で、M&Aを積極的に行っており、投資した資金で今後はさらにアパレル中心の事業ポートフォリオを変化させると見られる。昨年7月に日本政策投資銀行と共同でファッション専門ファンド「W&Dデザイン投資事業有限責任組合」(W&Dデザインファンド)を立ち上げたのを皮切りに、4月には「ラグタグ」を運営するティンパンアレイを子会社化、ファッションレンタルサービスの「サスティナ」を手がけるオムニスの株式46.6%を取得した他、6月にはクラウドファンディングのキャンプファイヤー、8月には子ども服大手のナルミヤ・インターナショナルに出資を行っている。