百貨店大手5社の9月度の売上高(既存店ベース)は、2社を除いて前年実績を下回った。4日と30日に上陸した2度の台風と、北海道胆振東部地震での休業、営業時間短縮、インバウンド(訪日客)の減少などが響いた形だ。
三越伊勢丹が前年同月比0.4%増、ただし、丸井今井札幌本店や丸井今井函館店などを含む国内グループ計では同3.0%減。阪急阪神百貨店が前年同月並み、高島屋が同3.5%減、大丸松坂屋百貨店が同2.0%減、そごう・西武が同0.7%減だった。
「上旬の台風や北海道地震の影響は受けつつも、29日までには前年実績を上回るほどに復調したが、30日の台風での休業・営業短縮で月全体では下回った」(大丸松坂屋百貨店)との声が各社から聞かれた。関西国際空港の台風による閉鎖もインバウンド減を招いたが、「空港の復旧以降は回復基調」(高島屋)という。この間好調に推移していた免税売上高が前年実績を下回ったのは、「2016年11月以来の22カ月振り」という声が阪急阪神百貨店、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武などから上がっている。
自然災害の影響を除けば、富裕層などの支持によって、「ラグジュアリーブランドや高級雑貨類が好調」(そごう・西武)という傾向が続いている。月後半の気温低下で婦人服、紳士服共にアウター類も動き出した。三越伊勢丹と阪急阪神百貨店では、特に高額なダウンアウターの売れ行きが好調だという。