「無印良品」を展開する良品計画の2018年3~8月期は、売上高に相当する営業収益が前年同期比10.0%増の2012億円、営業利益が同11.5%増の235億円、純利益が同24.1%増の181億円と引き続き好調を維持した。
国内の営業収益は同6.2%増の1246億円。店舗数は純増3に過ぎないが、既存店売上高が同5.2%増に底上げされた。アパレルは半袖Tシャツやタンクトップなどの盛夏商品がけん引。“導入化粧液”や“マイルドクレンジングシリーズ”などのスキンケア用品の他、カレーなどレトルト商品もよく売れた。
原動力となっているのが、値下げだ。ここ数年はシーズンごとに実施しており、2018年春夏は全商品の4割に相当する2400品目の価格を見直した。その効果で既存店の客数は同8.2%増になった。
大胆な値下げに踏み切れる背景には、店頭に並ぶまでのコスト削減の地道な努力がある。近年は衣料品を中心に、安価な人件費や関税減税を求めて中国からASEAN諸国へ生産拠点を移しており、取引工場を集約するなどして生産コストを削っている。「13年に比べ、特に衣類の点数は2倍」(松﨑曉・社長)と言うまでに達した増産によるスケールメリットも強みだ。値ごろな価格は客の来店頻度も増やす。
営業利益は、海外では東アジアの大幅増収によって同50.4%増と大きく伸びた一方、国内では同3.6%減。ファミリーマート向け取引の縮小や適正な店舗人員の補充による人件費増などが要因だが、松﨑社長は「(国内の)減益は今期限りになる」と強調する。
通年業績予想は営業収益4243億円(前期比11.8%増)、営業利益500億円(同10.4%増)、純利益333億円(同10.6%増)と据え置いた。「無印良品」は2018-19年秋冬でも、生活雑貨200品目、衣料品30品目で値下げを打ち出している他、カシミア素材の高騰を受け、ヤク・ウール素材のニットを強化するなど外部変化にも柔軟に対応。引き続き値ごろ感を強調する。