「ユニクロ(UNIQLO)」を運営するファーストリテイリングの2018年8月期連結決算(国際会計基準)は、売上高に相当する売上収益が前期比14.4%増の2兆1300億円、営業利益が同33.9%の2362億円だった。海外ユニクロ事業の売上収益が同26.6%増の8963億円に急伸し、通期で初めて国内を上回った。営業利益も海外ユニクロ事業は国内とほぼ並ぶ1188億円。海外がけん引する形で同社の売上高は5年間でほぼ倍増しており、先を走る「ザラ(ZARA)」のインディテックス(INDITEX)、「H&M」のH&Mへネス・アンド・マウリッツ(H&M HENNES & MAURITZ)を猛追する。
海外ユニクロ事業の売上収益の内訳は、グレーターチャイナ(中国、香港、台湾)が約4400億円、韓国と東南アジアがそれぞれ約1400億円、欧州と北米がそれぞれ約900億円。グレーターチャイナが26.9%の増収で全体を引っ張った。積極的な出店だけでなく、販売計画の精度が向上し、値引率が低下した。粗利益率は1.1ポイント改善している。
国内ユニクロ事業も既存店売上高が同6.2%増と好調だった。客数も客単価もプラスになった。上期は例年以上の寒い冬を味方にし、ヒートテックやダウンジャケットを拡販した。下期は猛暑によってエアリズム、UTがヒットした。
19年8月期は売上収益2兆3000億円(前期比8.0%増)、営業利益2700億円(同14.3%増)を計画する。11日に会見した柳井正・会長兼社長は「(海外事業拡大やサプライチェーン改革など)方向性ははっきりしている。今期は実行あるのみ」と語った。