ファーストリテイリングは11日、柳井正・会長兼社長の長男の一海(かずみ)氏と次男の康治(こうじ)氏が11月29日付で取締役に昇格する人事を発表した。同社が柳井社長以外に社内取締役を置くのは10年ぶり。そのため世襲への布石と見る向きもあるが、11日に行われた同社の2018年8月期決算会見に登壇した柳井社長は「私がいなくてもガバナンス(統治)が利くようにするため。決して経営者(社長)になるものではない」と否定した。
現在、一海氏と康治氏はファーストリテイリングのグループ執行役員。一海氏は子会社リンクセオリーの会長、康治氏は販売戦略責任者の要職に就いている。今回の人事では2人に加えて最高財務責任者(CFO)の岡崎健グループ上席執行役員も取締役に昇格した。柳井社長含めて社内取締役4人、社外取締役5人の体制になる。
柳井社長は「まだ(社長職の)退任は考えていないが、自分がいなくなっても成長できるだけの人材は育っている」とも話した。