米投資銀行JPモルガン(J.P. MORGAN)は18日朝、ギャップ(GAP)の株価を“アンダーウエート”に格下げし、2019年12月の予想株価を30ドル(約3360円)から24ドル(約2688円)へと下方修正した。これを受け、株式市場の開始と同時にギャップの株価が下がり、同日の終値は前日比5.79%減の25.56ドル(約2863円)だった。またJPモルガンは同社の19年度の1株当たりの利益(EPS)予想を2.38ドル(約267円)に下げた。
JPモルガンはこの要因として、「ギャップの流行を予測する能力や、売上総利益率を改善する価格力、好調なマクロ経済における売り上げ伸長の見込み」などの低さを挙げている。
また19年にマクロ経済の勢いが弱まれば、ギャップの既存店売上高の低迷がさらなる不安材料になるという。市場が堅調な現時点でも、18年度の同社の既存店売上高は17年度と比較すると2.5%下がっている。
他にも米中関税摩擦や、在庫整理のための過剰な販促活動、かさむ輸送費、店舗従業員の低い賃金など懸念される点を挙げている。ギャップの米国の最低賃金は15年から変わらず時給10ドル(約1100円)だが、競合他社のウォルマート(WALMART)、ターゲット(TARGET)、アマゾン(AMAZON)などは賃上げを進めており、各社は米国での最低賃金を時給11~15ドル(約1200~1600円)にしている。ギャップにとってはクリスマス商戦時の短期雇用者の確保も難しくなるだろう。
唯一の望みは、「オールドネイビー(OLD NAVY)」だ。JPモルガンも同ブランドについては「優良ブランドだ」とコメントしている。