ビジネス

ラグジュアリーの巨人リシュモンがアリババと戦略的提携、中国市場に本格参入

 ラグジュアリー・コングロマリット企業のコンパニー フィナンシエール リシュモン(COMPAGNIE FINANCIERE RICHEMONT以下、リシュモン)と中国最大手のネット通販企業のアリババグループ(ALIBABA GROUP)が、戦略的パートナシップ契約を締結すると発表した。

 リシュモンは「カルティエ(CARTIER)」「ヴァン クリーフ&アーペル(VAN CLEEF & ARPELS)」「ピアジェ(PIAGET)」「クロエ(CHLOE)」など高級宝飾や時計、ファッションの有力ブランドを擁するだけでなく、傘下にラグジュアリーEC最大手のユークス ネッタポルテ グループ(YOOX NET-A-PORTER GROUP以下、YNAP)を抱えており、アリババをパートナーに本格的な中国進出を図る。両社は合弁会社を設立し、YNAPが展開するウィメンズ向けのラグジュアリーEC「ネッタポルテ(NET-A-PORTER)」とメンズ向けの「ミスターポーター(MR PORTER)」の中国版アプリを開発し、さらに両サイトはアリババが運営する高級ネット通販サイト「ラグジュアリー・パビリオン(LUXURY PAVILION)」にオンラインストアをオープンする。アプリの開発や物流、決済などをアリババが提供する。

 ヨハン・ルパート(Johann Rupert)=リシュモン会長は、「リシュモンをはじめとしたラグジュアリー産業にとって、旅行者も含めて中国人の消費者の重要性はどんどん増している。中国におけるわれわれのデジタル戦略はまだよちよち歩きだが、アリババとの提携により、重要かつ成長性のあるプレーヤーに進化すると信じている。アリババは世界的にも先進的なテクノロジーや物流、マーケティングを有しており、『ネッタポルテ』と『ミスターポーター』はオープンかつ中立的で、洗練されたプラットフォームとして進化を遂げるだろう」とコメントした。

 一方ダニエル・チャン(Daniel Zhang)アリババグループCEOは、「中国は2025年に世界のラグジュアリー消費のおよそ半分を占めると言われている。われわれが手を組むことで、より優れたポジションとビジネス機会を得ることができそうだ。これは始まりの始まりで、今後長期的に協業し、ビジネスを開拓していく」とコメント。6億ユーザーを抱えるアリババは、オンラインとオフラインを融合した“ニューリテール”の実現を掲げており、リシュモンと組むことでラグジュアリー分野でも新しいショッピング体験の開発を目指す。

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

サステナビリティ特集 サステナブルなアパレル製品の作り方

「WWDJAPAN」9月9日号の特集は、「How to be a Sustainable Apparel」。本特集では、サステナブルなアパレル製品の作り方について考えます。サステナブルなアパレルといってもそのアプローチ方法はさまざま。有力アパレルメーカーが定番品をよりサステナブルに作り替えた製品や新たにブランドを立ち上げた事例、社会課題解決に向けてゼロから方法を模索して作った製品など課題に対してよ…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。