阪急阪神百貨店は、阪急メンズ東京の大規模な改装を実施し、2019年春にオープンする。投資額は15億円。同店の大規模な改装は11年10月の開業以来初めてで、3分の2のフロアに手を入れる。特に勢いのある高級ブランドやストリートファッションの品ぞろえを強化し、新規顧客の獲得につなげる。
30日に開催されたエイチ・ツー・オー リテイリングの18年4〜9月期決算の会見で、荒木直也・阪急阪神百貨店社長が明らかにした。
同社の当期の商品別売上高は、婦人服・洋品が同4.6%減と苦戦するのに対し、紳士服・洋品は同2.8%増だった。阪急メンズ東京は同4.6%増、阪急メンズ大阪が同6.9%増と東西のメンズ館がけん引した。荒木社長は「20〜30代のファッション感度の高いお客さまの消費が活発になっている。ラグジュアリー・ブランドがストリートに移行しており、Tシャツやスニーカーがこれらの若い男性のエントリーアイテムとして売れている」と総括し、メンズ館への再投資を決めた。
阪急メンズ大阪も来春、4億円を投じて改装する。阪急メンズ大阪はこれまでも小幅の改装を段階的に行い、高級ブランドを充実させてきた。その結果、若い男性客だけでなく、40〜50代の富裕層の顧客拡大にも結びついた。「阪急本店(阪急うめだ本店、阪急メンズ大阪)は外商に力を入れているが、メンズがお客さまの来店動機に結びつくケースが多い」という。
阪急阪神百貨店の18年4〜9月期決算は、売上高が同1.3%増の2090億円だった。主戦場である関西地区は6月の大阪北部地震や9月の台風21号上陸など度重なる災害で、4回の臨時休業を余儀なくされ、関西国際空港の一時閉鎖で訪日客が減少するなど、2.4ポイントほどの減収要因になった。それでも売上高が同5.1%増だった阪急本店や、6月の開業から計画を上回る数値を見せる阪神梅田本店(第1期棟)など、「善戦はしており、消費はまだ力強い」(荒木社長)と見る。