「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」を運営するZOZO(旧スタートトゥデイ)の2018年4〜9月期決算は、商品取扱高が前年同期比18.0%増の1412億円、売上高が同25.9%増の537億円、営業利益が同27.3%減の100億円、純利益が同34.1%減の62億円で、増収減益だった。減益の要因はプライベートブランド(PB)「ゾゾ」にかかる“ゾゾスーツ”配布などの広告宣伝費や人件費の増加で、PB単体では7〜9月の四半期で39億円の営業損失だった。
注目を集める「ゾゾ」の7〜9月期の売り上げは、15億円の目標に対して5億4000万円。受注ベースでは15億4000万円分の注文があったが、ビジネススーツの発送遅延などにより、大幅に目標を下回っている現状だ。今後はこうした生産遅延を防ぐため、すでに全自動化のための実験ライン「ZOZOスマートファクトリー」を千葉に設立し、生産体制の効率化を目指す。現在の遅延は年内に解消予定という。
また、今後は“ゾゾスーツ”がなくてもPBの購入が可能になる。これまでに蓄積した数百万着の計測データと基礎ユーザー情報、フィードバックを活用した技術により、身長・体重・年齢・性別の入力のみで、サイズ提案が可能になる。まずはデニムとTシャツからスタートし、全アイテムへ新技術を広げていく。これによって“ゾゾスーツ”の配布コストを30億円以上軽減できる見込み。海外では今後もサンプルデータ採集の目的で“ゾゾスーツ”を活用する。
社名変更後初となる決算発表で前澤友作ZOZO社長は、「まだまだ採寸の精度が低いことは否めない。現状の数字だけを見ると心配されるかもしれないが、社内的にはロジカルに考えているので、下半期売り上げを加速できるはず」とコメントした。
上半期を終えて、期初の通期計画に対する商品取扱高の達成率は39.2%、純利益は22.5%。通期目標の下方修正は行わず、商品取扱高が前年比33.1%増の3600億円、売上高が同49.3%増の1470億円、営業利益が同22.4%増の400億円を目指す。PB事業の売り上げ目標も変更なく、19年3月期に200億円をかかげる。