「ユニクロ(UNIQLO)」は2019年春夏、ブランドが掲げている“ライフウエア”のコンセプトのもと、着る人の24時間365日により沿う提案にいっそう力を入れている。スポーツ用、ビジネス用などとシーンを区切って商品を企画するのではなく、機能性を高めることで「着用シーン自体をシームレスにした、“究極の普段着”」(広報担当者)を目指した。クリストフ・ルメール(Christophe Lemaire)がアーティスティック・ディレクターを務める「ユニクロ ユー(UNIQLO U)」では、柄物の提案が新鮮だ。
シーンの垣根を超えた提案は、例えば“感動ジャケット”と“感動パンツ”を軸にしたコーディネート。ビジネスシーンにも対応できるが、実は同商品はプロゴルファーのアダム・スコット(Adam Scott)と組んで開発しており、吸汗・速乾性や伸縮性に優れているのが売りだ。同じく、オフィスカジュアルとして着られるポロシャツは、超速乾素材の“ドライEX”を採用しており、「仕事後にランニングをするような場合にも、そのまま対応できる」。スポーツウエアを日常に取り入れるスタイルはトレンドとして広がっているが、「『ユニクロ』の考え方はそれとは逆で、日常で着るものの着心地を突き詰めた結果、スポーツシーンにも対応できるようになった」という。
素材ではプレミアムリネンを推す。ウィメンズで、昨年も出していたボタンダウンシャツをリネンで出すのに加えて、抜き襟のスキッパーシャツやサロペットなどを企画。メンズは、リネン・レーヨンのジップブルゾンが新型だ。UVカット商品の拡充も注力点の一つで、初めてメンズでUVカットのカーディガンなどを出した。“エアリズム”のインナー長袖トップスでも、初めてUVカットタイプを企画している。
「ユニクロ ユー」は、チェック柄やペイントタッチのアート柄など、柄を提案していることが新しい。また、ウィメンズで昨年大ヒットした丸首のTシャツを今年は13色で提案するのに加え、シルエットをややワイドに変えた進化形のTシャツ(10色)も作った。防風・撥水などの機能素材、“ブロックテック”を使ったアウターも、昨年の好評を受けてショート丈のモッズコートや襟の大きなトレンチコート風などを企画。水着も昨年に続き提案する。メンズではセットアップを充実する。昨年メンズの「ユニクロ ユー」で売れた開襟シャツは、好評を受けて、通常ラインに落とし込んだ。