大手SPA、セレクトショップ3社の11月度の売上高(既存店ベース)は、暖冬の影響は受けつつも3社中2社が前年実績を上回った。重衣料だけに頼らないMD構成を追求してきた企業が成果を出した形だ。
ユナイテッドアローズ(UA)は、既存店とECの合計売上高が前年同月比1.9%増と伸ばした。「ここ数年、秋冬はコートの一本足打法にならないように中軽衣料を強化してきたことが当たった」(広報担当者)といい、春から好調が続くウィメンズで、ニットやボトムス、ブラウス、ジャケット、ワンピースなどが売れた。メンズもコートは不振だが、ジャケット類が健闘したという。
天候の影響が大きい実需型のユニクロは、国内既存店とECの合計売上高が同4.3%減と、2カ月連続で前年を下回った。11月22~26日に行った“誕生感謝祭”の売り上げは「悪くはなかったが、暖冬での売り上げ減をかばいきれなかった」(広報担当者)。一昨年、昨年と好調で、前提となる売上高が大きかったことも響いた。コート類は不調だが、テレビCMでアピールしているボアのフリースやスエット、シームレスダウン、薄手のセーター類は動いたという。
アダストリアの既存店売上高は同3.6%増。上期(18年3月~8月)は苦戦が続いたが、「『グローバルワーク(GLOBAL WORK)』『ローリーズファーム(LOWRYS FARM)』の基幹2ブランドが復調してきており、月後半にかけてコート、ブルゾンやニット類が売れた」(広報担当者)ことが売り上げ増につながった。