スペインのグルーポ・ペルフメ・イェ・ディセーニョ(GRUPO PERFUMES Y DISENO)傘下のブランド「デルポソ(DELPOZO)」のクリエイティブ・ディレクターに、ルッツ・ヒュエル(Lutz Huelle)が就任した。2012年から同職を務めていたジョセフ・フォント(Josep Font)は9月に退任している。
ヒュエル=クリエイティブ・ディレクターは、「ブランドを再構築するつもりはない。『デルポソ』を『デルポソ』たらしめている素晴らしいものを維持することが最も重要だ」と語る。「『デルポソ』には独自の世界観があり、顧客はそこに感情的なつながりを持っている。私はその世界観を壊すことなく、ほんの少し親しみやすくして、レッドカーペットだけではなく日常生活にもふさわしい服にしたいと思う」。
パブロ・バディア(Pablo Badia)「デルポソ」ジェネラル・マネジャーは、「ルッツと共にブランドの新たな章をスタートできることをうれしく思う。彼の経験値や、自身のブランドで示した技術力を評価して選任した」と言い、「一貫性のある日常的なワードローブを発売することは大きな目標の一つであり、事業拡大のカギとなる。しかし、ブランドの持ち味であるエレガントさは今後も維持していく」と付け加えた。
セント・マーチン美術大学を卒業後、「メゾン マルタン マルジェラ(MAISON MARTIN MARGIELA、現メゾン マルジェラ)」で経験を積み、2000年に自身のブランド「ルッツ(LUTZ)」を立ち上げたヒュエル=クリエイティブ・ディレクターは、01年にフランス国立モード芸術開発協会が主催する「ANDAMファッション・アワード」を受賞。12年にブランド名を現在の「ルッツ ヒュエル(LUTZ HUELLE)」に変更した。なお、ヒュエル=クリエイティブ・ディレクターは「デルポソ」の19-20年秋冬コレクションを監督するものの、正式なデビューはロンドンのショーで発表される20年春夏コレクションとなる。「ルッツ ヒュエル」のショーがパリで開催されているため、「デルポソ」のショーもパリに移す予定なのかという質問には、「ロンドンは何年も学校に通い、仕事もした大好きな街だ。『デルポソ』にぴったりだと思う」と答えた。
「デルポソ」は中国を含む新市場への進出に注力しており、ヨーロッパやアメリカでの存在感の強化にも取り組んでいる。直営店がマドリードとロンドンにある他、アメリカの有名百貨店バーグドルフ・グッドマン(BERGDORF GOODMAN)で取り扱いがあり、ドバイの大型ショッピングモール内にもブティックを構えている。韓国では、現地パートナーのKLHインターナショナル(KLH International)が管理するショップ・イン・ショップが3カ所にある。