「ヴァレンティノ(VALENTINO)」と「アンダーカバー(UNDERCOVER)」は16日(現地時間)、パリで開いたそれぞれの2019-20年秋冬メンズのランウエイショーで、2度目となる両者のコラボ・コレクションを発表した。両者は昨年11月、「ヴァレンティノ」が2019年プレフォール・コレクションを日本で発表した際、最初のコラボレーションを販売している。
まず17:30にスタートした「ヴァレンティノ」は、メゾンらしい上質素材を使った流れるようなアウター、体を包み込むボリュームニットに高橋盾らしいモチーフをプラス。モチーフは「VALENTINO」のアルファベットをロックにアレンジしたロゴから、「V」のマークを重ねたスカル、UFOに覆われた人の顔などバリエーション豊か。手法も象嵌(ぞうがん)細工のインターシャから刺しゅう、ジャカード、プリントまで幅広い。「ヴァレンティノ」の「V」と「アンダーカバー」の「U」を並べた「VU」のロゴも登場し、今回のタッグが両者同等の関係性であることを伺わせる。クチュールメゾンに真反対の存在とも言えるストリートの視点を盛り込み、本質を浮かび上がらせることが狙いという。ショーには高橋も来場したが、終了後は2時間後に迫った自身のコレクションのため足早に会場を後にした。
また、「ヴァレンティノ」は「ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)」ともコラボレーションしたサンダルを披露した。「ビルケンシュトック」の人気モデル“アリゾナ(ARIZONA)”を漆黒に仕上げ、“VLTN”のロゴをあしらった。ピエールパオロ・ピッチョーリ(Pierpaolo Piccioli)「ヴァレンティノ」クリエイティブ・ディレクターは、「多くの人たちは毎日のように『ビルケンシュトック』を履いている。性別やスタイル、社会的立場など関係ない。皆、自由に『ビルケンシュトック』を楽しんでいる。(顧客が望む洋服を作り、自由に着てもらう)クチュールメゾンに似た性質がある。コラボを通して、メゾンのDNAを探りたかった。とてもインクルーシブ(包括的)なアプローチだ」と話した。コラボサンダルは両ブランドの一部直営店および公式ウェブサイトで販売予定だ。
続く19:30は、「アンダーカバー」のショー。「ヴァレンティノ」とのコラボは、後半に現れた。モチーフは、「VALENTINO」のロゴやスカル、UFOなど、「ヴァレンティノ」のショーに登場したものと同じ。しかし「ヴァレンティノ」がチェスターコートやオーバーサイズニットなら、「アンダーカバー」はパンパンのダウンブルゾンやパジャマシャツ、ジャストフィットのニットなど、モチーフが彩るアイテムは異なっている。コラボ・コレクションのモデルは、ほかのモデルと同じように頭に大きな羽根飾りを付け、ケーブルニットなどのグローブを身につけた貴族的スタイルでランウエイに現れる。「アンダーカバー」流の、ラグジュアリーとストリートの融合だ。
フィナーレには、「ヴァレンティノ」のキーカラー、レッドのモデルたちが登場。拍手喝采で両者のコラボ・コレクションは全容が明かされた。