ビジネス

ケリングが約1736億円の租税回避とイタリア税務当局が発表 同社は反論

 「グッチ(GUCCI)」や「サンローラン(SAINT LAURENT)」などを擁するケリング(KERING)が、2011~17年に総額14億ユーロ(約1736億円)の租税回避をしたとイタリア税務当局が発表した。ケリングの物流子会社ラグジュアリー・グッズ・インターナショナル(LUXURY GOODS INTERNATIONAL以下、LGI)はスイスを拠点としているが、実際の業務はイタリア国内で行っていたと当局は見ている。本来であればイタリアで申告するべき収入を、優遇税制が適用されるスイスで申告して租税回避をしたとして当局が17年から捜査しており、1月25日に監査報告書を提出。今後、イタリア歳入庁が監査報告書を精査して最終的な判断が下される。

 これを受け、ケリングは「申し立ての根拠および金額の両方において異議を唱える。当社は適切な税務処理を行っていると自信を持っており、それを証明するために引き続きイタリア税務当局に全面的に協力する。また、潜在的な課税リスクを厳密にモニタリングし、賢明に対処する方法を導入したことをご報告する」と声明を発表した。

 17年12月に報道された一連の脱税疑惑では「グッチ」が主な捜査対象となっていたが、今回の声明では触れられていない。ケリングは、LGIについて「当社が擁するブランドの物流や配送を集中的に行う戦略的な拠点。1999年のグッチ・グループ(当時)買収以前の90年代に設立しており、現在は600人以上の従業員を雇用している」とし、「スイスを拠点とする当社の子会社は全てスイスで実際に事業活動をしており、その税法に準じて同国で納税している。こうしたスイス子会社の介在については、フランスをはじめとする各国の税務当局も承知している」と述べた。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

恒例の25年春夏トレンドブック 125ブランド・470枚の写真を収録した「常に手元に置いておきたい一冊」

11月11日発売の「WWDJAPAN」は、2025年春夏のパリ、ミラノ、ニューヨーク、そしてロンドン・コレクションの全てを詰め込んだトレンドブックです。今回掲載したのは、125ブランド・470枚の写真!キーワード(ムード)やアイテム、素材、色柄、ディテール、そしてバッグ&シューズのトレンドを分析し、余すことなくお伝えします。企画担当者はもちろん、最新トレンドをいち早くキャッチしたいマーケティング担…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

@icloud.com/@me.com/@mac.com 以外のアドレスでご登録ください。 ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。