ジーンズカジュアルチェーン大手のライトオンは、ファッション通販サイト「ゾゾタウン(ZOZOTOWN)」から撤退する。年明けからすでに新商品と追加商品の投入を停止、4日からは既存アイテムも徐々に非表示化を進めており、2月20日までに完全退店する。撤退の理由は、ZOZOが昨年12月25日にスタートしたサブスクリプション型の会員サービス“ZOZOARIGATOメンバーシップ”と見られる。すでに撤退を表明しているオンワードホールディングス(HD)とは異なり、EC売り上げの大半をゾゾタウンが占めていたライトオンの撤退は、他の出店企業やブランドにも大きな影響を与えそうだ。
前澤友作ZOZO社長は1月31日の決算会見で、ZOZOARIGATOのサービス開始に伴う一部企業の撤退などの“ゾゾ離れ”について「業績への影響はほとんどない」と否定していた。
川﨑純平ライトオン社長は「当社はゾゾタウンのイメージに共感し、EC事業拡大にはゾゾタウンを中核に位置づけて取り組んできた。目標としてブランドランキングで常時20位以内を目指し、時には達成していた」と語るほど、経営戦略上「ゾゾタウン」を重要視していた。ライトオンは今後、「物流やシステム、ささげを始めとしたコンテンツ制作、デジタルメディアの運営などのECの基幹になる業務は、プロの力を借りながら、内製化を進める」方針。
ZOZOARIGATOについては、サービス開始のわずか1〜2週間前に突然告知しただけで実際のサービス開始時の画面などについても一切の説明がなかったことを、多くの出店ブランドや企業から批判されていた。
また、ZOZOの前澤社長は決算会見時に、「全商品の販売を停止したブランド」について全出店社にあたる1255ショップのうちわずか42ショップにとどまると発表していたが、セレクト大手のベイクルーズは店頭や他のモールでプロパー価格で販売している春夏商品を非表示にしており、そうした企業は含まれていないと見られる。そのため実際にはZOZOARIGATOに反発し、商品販売の停止にまで踏み込んでいる企業はさらに多いと見られる。