三陽商会は14日、相談役の中瀬雅通氏(69)が3月28日付で取締役会長に就任すると発表した。中瀬氏は同社の創業者である吉原信之氏の娘婿で、1993年から社長、2000年から代表取締役会長を務めた。13年に同社が約230人の希望退職者を募った際、「けじめ」と説明して相談役に退き、経営の第一線から離れていた。代表権はないものの、6年ぶりの会長復帰になる。
同社は同時に定款を一部変更。取締役会の柔軟な運営を目指して、取締役会の招集者および議長を社長だけでなく会長が務められるようにする。岩田功・社長が執行に専念できるよう会長がサポートする体制を整える。
かつて経営責任をとって退いた中瀬氏の復帰について、14日に行われた18年12月期の決算発表会見で岩田社長は「批判もあるだろうが、今は緊急時。打開するために使える力は全て活用する」と話した。